松毬コロコロすとーんず沼に落ちちゃった

非ジャニオタによるスト担体験記

オタクたるもの推しのセトリを作らなければならない(義務感)

ミスチルは『シフクノオト』までしか追えてない筆者でも、

NHKラジオの『〜〜三昧』で我らが京本大我が披露した妄想セトリからは

のっぴきならない”狂気”を感じ取れたわけで。

やっぱりオタクはこうやって狂ってなきゃだめだよなって。(過言)

狂ったセトリを組んでこその真のオタクだよなって。(過言)

推しの良いところはどんどん見習って、

より良き人間になっていきたい。

てなわけで渾身のセトリを組みました

これで少しでも京本大我に近づけたならいいな。

 

ライブの設定

まずそもそも『Feel da CITY』でなにやってるかも知らんやつが

セトリを語るなって話なんですけど、

「ライブに行けてない奴の方が拗らせがち」ってことは京本が証明してくれてるので

そこは胸張っていきたいと思います。

 

今回考えるセトリはずばり

記念すべきロックフェス初参戦のセトリ

です。

ロッキンなのかフジなのかなんなのかはわかりません。

とにかく野外のロックフェス

まじで出てほしいやつ。

 

持ち時間は50分くらいを想定。それくらいくださいお願いします。

 

客層についても想像しておきましょう。

まず一個前の出演者が終わった時点で

オーディエンスの半分はいなくなります。(シビア過ぎない??)

それでも残って前列に来てくれてる人は

多分もうSixTONESある程度知っているロックファンとリトルストーン

その後方に、ど緊張しつつ「郷に入っては郷に従え」を頑張っているオタクたち。

さらに後方には「お手並み拝見」とばかりに腕組んでる人たち。

と、「次何食べよっかなぁ」って休憩モードの人たち。

今回のセトリのメインターゲットはこの

後方腕組み集団と腹ペコ休憩集団。

ここにブッ刺さるパフォーマンスをして、どんどん前に来させたいの。

 

楽曲の選抜とかいう名の苦行

ミスチルにはそりゃ遠く及ばないけれど、

SixTONESだってもう結構な楽曲をリリースしてるわけで、

『わたし』発売前の2022年5月現在で

だいたい64曲くらいあるはず。(※歌唱のある曲・音源化されている曲のみ)

 

それをまずはざっくり「ぜひともフェスで聴きたい曲」のみに絞った結果、

26曲になりました。

結構絞れたじゃん、って思うかもしれないけど、

まだ3年目なのに26曲しか絞れないってことは、

30周年の時には絞っても260曲になっちゃう日が来るかもしれないわけですよ(?)

 

26曲で約98分。めっちゃオーバーするじゃん。

ここから曲順や演出も念頭に置いて吟味すること半月

どうにかこうにかしてなんとか12曲約45分のセトリが組めました。

題して「ぶちかまし初見殺しセトリ」

それではいってみよう!

 

1.Dawn(『CITY』通常版収録)

ど頭一曲目はとにかく「なんだかよくわからない曲」で始めたかった。

なんてジャンルの音楽なのかよくわかんないけど、

少なくともみんなが思うアイドルソングではないし、

でもなにかとんでもないことが起こる気配はビンビンに感じる曲。

 

『on eST』のオープニング大好き人間なので正直『Mad Love』とめっちゃ迷った。

あの紗幕(シルエットを写していた布)を持ち込めるなら

『Mad Love』でも良かったかもしれない。

 

『Dawn』でも一曲丸々顔見せないとかやってほしい気がしている。

特殊な装置使わなくても、後ろ向いて歌うとかでも良い。

後半のフェイクとかも、背中で煽ってくる感じで

前を向くのは2曲目からで良い。

 

冒頭のなんだかおっかない鐘の音、からのジェシーの歌い出し

そして早い段階でサビがくるのも掴みとしてふさわしいと思いました。

田中のラップも一曲目からガンガンに怒気って感じでいいと思います。

 

2.Special Order(『1ST』収録)

なんといってもコンセプトが「ぶちかまし初見殺し」なので、

2曲目から飛ばします。がんばれSixTONES

 

この枠はものすごく悩んだ。

他に候補が『Telephone(1ST ver)』『RAM-PAM-PAM』

『WHIP THAT』『Waves Crash』といっぱいあったので。

最終的に二択になったのは『RAM-PAM-PAM』で、

本当に僅差だったんだけど、スペオダにしました。

 

決め手のひとつは冒頭のシタールっぽい音のリフ

さっき(Dawn)はハリウッド大作映画のオープニングみたいな雰囲気だったのに、

いきなりマハラジャを感じるというか、

もうこの2曲目の時点で「こいつら何モンだ??」って思わせられそうで。

 

あともう一つの決め手は振り付け

あの手をヒラヒラさせるやつ、

ノリのいい前列の人たちが一緒にやってくれたら嬉しいなって。

なんせうちわもペンラもないんだから、みんなで踊り狂いたいじゃない。

 

「Haters, come on!は喧嘩売り過ぎかもしれないけど、

京本の「nobody stop」の高音でみんな心洗われるから大丈夫。

田中はもうここで喉吹っ飛ばす勢いでラップしてください(無鉄砲)

 

3.Bella(『僕が僕じゃないみたいだ』初回盤B収録)

ここでちょっとクールダウン、とみせかけて色気の暴力で殺す(物騒)

さっきがマハラジャだったんで、今度はカリブ海方面に飛ばしたくて、

だもんで『Lemonade』と迷った。

 

決め手はやっぱり「Sexy senorita」ですよ。

こんなに「senorita」連呼してもギャグにならない日本人がいるんですよって伝えたい。

あとこの曲の合いの手(「Ayy」とか「Turn up!×3」とか)の男臭さが好きで。

SixTONESのエロさって女性向けに全振りしてなくて

同性に見せつけるような、同性の憧れの対象になりうるようなエロさがあると思ってて、

それが分かりやすく出る曲かなって。

 

ここまで歌ったら一旦小MCがあっても良いかな。

本当に「小」のやつ。

「どーもー、SixTONESでーす。良かったら覚えて帰ってくださーい」くらいのでいい。

あと水飲んでね。

 

4.Coffee & Cream(『1ST』収録)

序盤が攻め攻めだったので、中盤はちょっと爽やかに、

それでいて大人っぽさは損なわず、おしゃれで、チルなゾーンにしたいです。

あるいはもうひとつのパターンとして、

華やかな方に舵を切るのもありかな〜って考えたけど、

どうしても『Coffee & Cream』が入れたくて、捻じ込むとしたらここしかなかった。

 

この曲も合いの手が男臭くて好き。

ハッピーな男女の糖度高めのリア充乙ソングなんだけど、

この合いの手のおかげで男友達の惚気を聞いてるような気分にもなる。

でも松村パートだけそういうのすっ飛ばす勢いでエロいんだよな……。

ぜひとも無垢なオーディエンスを「やさしくかき混ぜて」ほしい。

 

もし可能だったら回転椅子とグラス使ったパフォーマンスしてほしいね。

そのためだったらさっきの小MC中MCくらいにしてもいい。

でも絶対大MCではないからな。加減しろよ6人(ガチ注意)

 

5.Call me(『僕が僕じゃないみたいだ』通常盤収録)

爽やかおしゃれは引きずったまま、切なさをinさせたくて『Call me』です。

 

今回のセトリはなにせ「ぶちかましがコンセプトなので、

所謂「歌もの」というか、歌のうまさが分かりやすく伝わるような、

例えば『Lifetime』とか『Everlasting』みたいな曲は入れてません。

多分フェスの環境って、

どんな曲であろうと歌の巧拙は一発でわかるようになってるから、

敢えて分かりやすい曲は入れなくても良いかなって方針。

 

とは言え前半で一曲くらいはしっとり歌ってほしい。

ってことで『Call me』なんだけど、

これは本当についさっきまで『Make Up』と迷ってた。

決め手はさっきの『Coffee & Cream』と繋げた時に、

こっちのほうが雰囲気の振り幅が出そうだったから。

終盤の京本の長めのソロパートのドラマチックな展開とかが

これまで流れにはない感じかも。

 

それにしても英語詞が多いな。がんばれSixTONES

 

6.Papercut(『CITY』初回盤A収録)

折り返し前の6曲目。

最近のSixTONESはちょっと懐かしい感じのテイストの曲を

意識的にやってる気がするので、そこも聞いてほしくて『Papercut』

『Strawberry Breakfast』でも良かったんだけど、

ここまで聴いてSixTONESに興味持ってくれた人がいたとして、

彼らがおうちに帰ってからちょっと検索すれば割と早い段階で

『Strawberry Breakfast』には辿り着けると思うので、

敢えてYouTubeにはない曲を、と考えました。

 

高音をファルセットじゃなくてパーンと出すパートがとにかく気持ちいい。

「痺れるようなFlavor(田中)」「叶えてくFavor(髙地)」とかね。

広い空に向かってパーンと解き放ってほしいって、

6のつく数字の時に60秒だけ楽曲が解禁されるあの企画の時から思ってました。

終盤のフェイクモリモリなサビとか、

テクニック的にも聞き応えがあると思うんだよね。

あと、次の7曲目に向けてだんだん元気になっていきたいって狙いもあったり。

 

7.Your Best Day(『CITY』収録)

折り返し地点過ぎた7曲目でようやくSixTONESが笑います。

いいのかこれで。

コヒクリあたりでニヤニヤしたかもしれないけど、

この曲では全力でニコニコしてピョンピョンして手とか振っちゃえばいい

先に言うけど、直球アイドルアピールできるチャンスは唯一ここしかありません。

いいのかこれで!

 

イントロからオーディエンスにクラップしてもらえそうなとこが良い。

クラップ曲として『S.I.X』も考えたんだけど、

そうするとアイドル要素が絶滅してしまうのでさすがに。

あと『"Laugh"In the LIFE』も候補だったんだけど、

「Everybody say Oh」って言われてるのに「Yeah」って返さなきゃいけないのは

オタク以外には難易度が高い。

あとフェスに初出場する頃に声出し可能になってるとは限らない(現実的)

 

楽しくてキラキラした曲ではあるんだけど、

ラスサビ前がアカペラっぽくなったりするあたり、聴きどころもガッツリ。

野外で聞いたら絶対気持ちいんだ。

 

ここでちょい長めのMC

あんまり自由にさせると時間なくなるから

ここは我慢して自己紹介とお知らせにとどめてほしい。

彼らにとってはこれが一番無理難題な気がする。

 

だったらいっそMC無しで駆け抜ければ? とも思ったんだけど、

どうしてもやりたいことがあるんですよ。

 

このMCの間に、バンドの皆さんが準備します

そう。後半は生演奏。

ここまでの7曲、お気づきかと思いますが、

表題曲一曲もやってません。

あと、ロックもやってません。

なんでかって、この時のために取っておいたのよ。

自分だったらミュージシャンの方が現れてポジションについただけで嬉ションするかも。

いや、確実にするね。

 

8.うやむや(『1ST』通常盤収録)

いきなりぶちかますかと思いきや、超絶ピアノテクから幕開け。

ロックを取っておいたってさっき言ったくせに、まだ焦らす。

だって生演奏の『うやむや』聴きながら感極まりたいじゃん。

 

説明不要の高難度曲で、歌う6人もピアノの人も大変だけど、

ソニーが集めたメンバーなら問題ないでしょう。

ここまで洋楽チックな楽曲で固めてきたので、

突然のボカロ調にオーディエンスも度肝を抜かれること間違い無し。

2番冒頭のベースラインで失禁するし

森本の「嫌になるのも絵になる」涙腺崩壊する自信がある。

 

9.マスカラ(『マスカラ』『CITY』収録)

はい! きました! 伝家の宝刀!!

フェスのオーディエンスに認知されている可能性が最も高い曲と言っても過言ではない。

がしがし踊りながらテレビじゃ見れないフルサイズ

邦ロックガチ勢にぶちかましてほしい。

願わくばこの日のタイムテーブルのトリがKing Gnuであってほしい。

 

説明要る? 要らないよね??

絶対かっこいいし絶対圧倒されるし絶対落ちる

はい勝ち確。

 

10.Rosy(『CITY』収録)

ここぞとばかりに畳み掛けるぜ。

6人の体力のことは考えてないよがんばってくれ。

『うやむや』と繋げてKOUDAI IWATSUBOゾーンを作っても良かったんだけど、

『Rosy』もピアノが印象的な曲なので敢えて離してみた。

『マスカラ』含むこの3曲はどの順番でやろうが口の回転数が鬼

 

ソニーSixTONESにくれるロックはリズム隊が好みのど真ん中でしんどい。

あとアコピもエレピも最高。官能。たまらん。

当然ギターソロもかっけぇ。

エレピとギターの絡みなんてもう。

生演奏で聴いたらきっと漏らす(嬉ション常習犯)

 

11.Imitation Rain(『Imitation Rain』『1ST』収録)

二振り目の伝家の宝刀を抜きました。

そしてこの曲が来たということはエンディングが近いということ。

やだー!

 

できればここで雨降ってほしい

それが無理ならここで日の入りしてほしい

というかSixTONESのことだから朝から雨降らす可能性もあるな。

それはちょっと大変だからやめてほしい。(わがままだな)

 

THE FIRST TAKEバージョンも素晴らしいんだけど、ここは原曲アレンジで。

先日のANNでYOSHIKIさん自らぎりぎりまでリテイクを重ねたってお話が出ましたね。

聴けば聴くほど本当にすごいアレンジで、

音数は多くないのに、すべてのバランスが完璧であるがゆえに、壮大

これをフェスの現場でどれだけ再現できるかはちょっと未知数だけど、

絶対すごいものになると思うのよ。

 

12.ST(『1ST』収録)

ラストはこの曲です。

セトリを組む上で実は一番最初に決まったのがこの曲でした。

初めてフェスの舞台に降り立ち、

アウェイ環境ながらも躍動し、強烈な印象を与えたSixTONES

去り際に残していくメッセージとして最も相応しい曲な気がして。

 

演出としては、『on eST』のときみたいに、

踊らずに100%歌に振り切ってやってほしいのよ。

強い決意と貪欲さを余すとこなく伝えてほしいのよ。

どこまでもついていくよって思わせてほしいのよ。

 

サウンドも本当に大好き過ぎて困る。

ゴリゴリのゴリでエモエモのエモ。(は?)

そんな強靭な楽器隊の上を、綺麗に3層でハモっていくサビはちょっとずるい。

バンドじゃあんまりこんなにハモれないからね。

アイドルが直球のロックを全力で歌うことの意義を知ったよねこの曲で。

 

最後の最後は特効でバーンと火柱上がって欲しいです。

雨もピタッと止んで欲しいです。

 

まとめ:楽しかったです。

12曲選んで、演奏時間だけで45分。

途中出入りもあるので、

本当ならもう一曲削ったほうがいいのかもしれないけど

もう無理。やだ。これで満足。

オタクが趣味で50分のセトリ考えるだけでもこんなに大変なのに、

ツアーのセトリ毎回自分たちで組み立てるSixTONESってすごいな。

予算のこととかも考慮しなきゃならんわけでしょ?

えらい。

 

それにしても。

いやぁ、まじで、フェス出てくんねぇかな〜〜〜(大声)。

フェス出演に限らず、本人たちはやる気満々でも

なかなか叶わないことだらけだからきっと色々難しいんだろうけど。

あとまあ、普通に、SixTONESくんたちみんな夏は忙しいもんな……。

 

とりあえずなんにせよめっちゃ楽しかったです。

また曲が増えた一年後くらいにやってもいいかもしれないと思いました。

 

以上、最後までお付き合いいただきありがとうございました!

 

 

舌の根も乾かぬうちに追記(2022.6.12)

「一年後ぐらい」とか言ったばっかなんですけど半月で戻ってきました。

『わたし』カップリングを

ぎゃんぎゃんにフェス向けな楽曲にしたSixTONES陣営のせいです。

居ても立っても居られなかったので、セトリ組み直しです。

今回は持ち時間30分・全編生バンドっていう条件にしてみました。

さらっと紹介します。

 

1.シアター(『わたし』初回盤A収録)

2.Rosy(『CITY』収録)

MC

3.オンガク(『わたし』通常盤収録)

4.うやむや(『1ST』通常盤収録)

5.マスカラ(『マスカラ』『CITY』収録)

6.Imitation Rain(『Imitation Rain』『1ST』収録)

7.ST(『1ST』収録)

 

半月前に作ったセトリの後半戦に新曲2曲を足しただけっちゃそうなんですけど、

これはこれですごく現実味あるセトリになったんじゃないかって思います。

 

まず『シアター』は1曲目にぶちかますのに相応しい

世界観つよつよ楽曲だし、

初っ端からバンドの上手さを見せつけるのにも持ってこいじゃないですか。

「Thank you for your time,

the curtain rolls up just now」って言っちゃってるしね。

むしろ1曲目以外無理じゃん…?

 

で、強すぎるこの曲を受け止められるのはやっぱり『Rosy』かなって。

なんか映画っぽい世界観が繋がってるような気もするし。

 

自己紹介的なMCを挟んで一気に爽やかに『オンガク』

こちらも新曲ですけど、この曲の京本のロングトーン

広い青空に溶け込んでいくためにあるじゃないですか。

野外でやらないなんて考えられません異論は認めんぞ。

爽やかJ-POPと見せかけて演奏隊は結構エグいことしてるんで

オーディエンスのガチロック勢もご満足いただけるかと。

 

その先は半月前と大体同じ。

『Rosy』からの『Imitation Rain』の流れが実はかなり気に入っていたので

ここを離さなきゃいけないのは断腸の思いなんですけど、

『マスカラ』→『Imitation Rain』もボス戦の連続の趣があって良いです。

 

全編バンドにしたらより一層自分の好みがダダ漏れになった感がある。

この並びで再生リスト作ってひたすらベースの音だけ聞く30分とか過ごしたい。

もちろんその後の30分で歌も聞くよ!!

 

それにしても。

こんなにフェス映えする曲を世に放っておきながらフェスに出ないとか

どうかしてるよSixTONES陣営。

今回は入れられなかったけど『セピア』だって全然いけるからね!

ほんと頼むよ!!

 

以上、蛇足の追記でした。

夏の終わりに推しの皮を被った”王”を観た

スタンディングオベーション(2021年8月26日@赤坂ACTシアター)を

観劇して参りましたので、その感想をつらつらと。

千秋楽までに間に合わせたかったけど無理だった(平常運転)

ネタバレはめっっっっちゃしますからお気をつけください。

 

倅には申し訳ないことをした

舞台を見に行くこと自体には慣れている方だという自負がありますが、

如何せん自分は生身の人間を推すことがほとんどない人間でしたので、

作品タイトルではなく「主演俳優」を根拠に観劇の予定を入れるのは人生初。

申し込みの時点でなんかもう照れくさい。

 

で、まさか当たらんだろうと思っていたのに当たってしまい、大慌て。

まずはじめにしたことは倅(小5・スト担)への謝罪でした。

だってチケット1枚しか取れてないんだもの。

彼には「1名義につき1席しか取れないシステムで云々……」と説明し、 

渋々ではあるもののご理解をいただいた上で、ようやく入金と相成りました。

入金もなんか照れくさい。

 

そこからしばらく経ってチケットが届きますが、

いまだにやっぱり「ジャ」の名の刻まれた封筒を受け取るのは

ストレートに照れくさい。

 

芝居のチケットが手元に届く(あるいはデジチケが発券される)と

速攻で劇場サイトにアクセスし、座席の位置を確認する習性があるオタクなので、

「コロナの前になんの気兼ねもなく観た最後の舞台が赤坂ACTだったなあ」

なんて懐かしみながら座席表をチェックしてみたところ……

良席すぎて照れる。

照れながら倅に謝る。

ごめんて。ハーゲンダッツ買ったげるから許して。

 

そして当日。1年8ヶ月ぶりの赤坂ACTシアターへ。

この日のためってわけじゃないけど、ばっちり3週間前にワクチン2回目摂取済み

駅から近いので、心の準備ができる前にでっかいポスターがドーン!

みんな撮ってるからつられて写真撮りながらもやはり照れる。

 

パンフ購入は観劇前が信条(ただし中身を見るのはお家に帰ってから)なので、

早速物販に並びましたが、最近よく観てる2.5次元舞台に比べるとちょっとお高め。

主演俳優の顔面がドーンみたいな表紙だったら照れちまうぞ? って危惧したけど、

全然そんなことはない、シンプルでシックな表紙。

受け取った瞬間「これでこのお値段は逆に安い」と確信するに至る豪華ハードカバー

パンフの表紙も会場内のポスターも『スタンディングオベーション』ではなく

『ジョージ二世』のものになっているというこだわりの仕掛けにワクワク。

 

劇場内に入ると、正面舞台上にはいくつものモニターが。

会場の至る所に設置された監視カメラの映像(おそらくリアルタイム)が映し出されていて、

「噂通りの観客巻き込まれ型演劇なんだな」とさらにワクワク。

吊るされてる照明の向きとか音響卓の場所とかを気にして

キョロキョロしてしまう癖があるので、

もうここら辺では照れはどっか行ってましたね。

 

照れは解消されたものの、倅への申し訳なさは最後まで拭い去ることができず。

帰りにハーゲンダッツ買って帰りました。

 

演出家・チャーリー木下氏への期待とドヤるオタク

かれこれ6年くらい前になるんでしょうか。

いろいろあってしばらく観劇から遠ざかっていた筆者は、

友人に誘われ観に行ったとある演劇作品に度肝を抜かれます。

その作品の名は『ハイパープロジェクション演劇・ハイキュー!!(初演)』

 

週刊少年ジャンプの人気作品の舞台化というのはこれが初めてではありませんでしたが、

「ミュージカルじゃない」というのが当時結構な話題になっていました。

一応ほんのちょっと演劇をかじっていたことのある筆者としても、

「歌って踊る」という手法以外でバレーボールの試合を表現する術があるのか?

と、内心疑ってかかる一方、

『ハイパープロジェクション演劇』という聴き慣れない言葉にワクワクしながら観劇。

 

結果。

斬新なアイディアと緻密な計算、圧倒的臨場感と高度すぎる身体表現の応酬に、

度肝という度肝を全部引っこ抜かれて内臓が空っぽになりました。

とんでもねぇ世界に連れて来られちまったなと、白旗をバッサバッサ振りました。

その白旗を振った相手=演出家こそが、鬼才・チャーリー木下氏だったわけです。

 

自分は前述の通り、三次元の推しを推すことに対していまだに照れを捨てきれない

往生際が極めて悪い矮小なオタクなので、

「演出・ウォーリー木下」という情報が入らなければ、

もしかしたらチケットを申し込まなかったかもしれない。

だっていくら推しの舞台とは言え、つまんねぇ芝居にお金払いたくないもの(ドケチ)

 

ですので今回の舞台、「推しの主演作品」というのと同等レベルで

「推し演出家の作品」という点でもめちゃめちゃ楽しみだったわけです。

 

しかもしかも、そこに加えて、先日のパラ開会式ですよ。

プロジェクションマッピングの使い方上手いなぁとか、

いろんな場所で同時多発的にいろんなことが起きてるけど、

見るべきところは絞られてて見やすいなぁとか、

ストーリーにこじつけ感がないなぁとか、

それでいて遊びもちゃんとあるなぁとか、

良いキャスト選んでるなぁ、などと感心しながら拝見しとりましたら、

演出ウォーリー木下だってさ。

納得だよ!! なるほどね!! そうだろうね!!

我らがジェシー、すげぇ人の舞台出てるんだな。

オタクは勝手に鼻が高い。ドヤ顔が止まらない。

 

そんなこんなで、期待値ガン上げハードル雲の上状態で観劇するに至った

スタンディングオベーション』。

やはり期待通りの面白い仕掛けが満載でした。

 

前章で触れた通り、舞台上にはいくつものテレビモニターが吊るされていて、

これらは劇中、スムーズにフォーメーションを変えながら出たり入ったりするのですが、

そこに映る多彩な映像が、

この物語は「今・ここで」起こっている出来事なんだ

ということを、鮮烈に主張してきます。

 

モニターに映るのは8割くらいが監視カメラの映像で、

劇場のエントランスやロビー、階段、客席、楽屋、建物の外など、

代わる代わる常に人々の動きを捉え続けています。

あれを見て「もしかして自分も映るかも??」

って思わない客はほとんどいないでしょうから、

このモニターの存在一つで、なんなら開演前から既に

観客の「自分も巻き込まれてる感・参加している感」を演出できているわけです。

ANNで田中樹が「緊張しちゃった」って言ってたのも頷ける。

 

劇中、演者がロビーに出たり、楽屋のあたりをウロウロしたりする姿も

モニターでつぶさに確認できるわけですが、

この映像に関しては事前に収録したものなのではないかなぁと推し量りつつ、

いや、この芝居のことだからリアタイで演じててもおかしくないぞとも思い、

でもそうやって裏側を勘繰るような見方をやめてしまえば、

ナチュラルにリアタイにしか見えない。

 

しかも、舞台上の舞台裏の俳優たち(ややこしい)

つまり『スタンディングオベーション』の舞台上にいる

『ジョージ2世』の舞台裏のキャストとスタッフ役の俳優たちも、

観客と一緒になってモニターを見て、同じタイミングでリアクションしてるわけで、

こんなもん相当楽しいですよ。(語彙力)

 

さらに、これは演出以前の企画や脚本のお仕事の範疇かもしれませんが、

とにかくまず設定からし「今・ここで」を徹底する仕掛けがたくさんでしたね。

国会議事堂から近い赤坂という立地を存分に生かした、

議員の殺害事件という「ありそう」な展開。

要所要所でモニターに映し出されるテレビ番組も、

これまたTBSのお隣という立地をやりすぎなくらい生かしたおもしろ展開。

ひるおびが始まって恵さんが喋り出した時には声出して笑った(本当は出してない)

若干心配なのは、これ京都でやる時はどうすんの? ってことなんですけど、

まあきっとなんとかしたんでしょう。

 

モニターの話が長くなってしまったけど、次はの話をします、

観劇する前、筆者は公開されているあらすじを読みながら

「劇中劇とその舞台裏を同時に描くのって難しくない?」って首を捻っていました。

そういう戯曲は珍しくはないけど、考えられるパターンとして、

劇中劇と舞台裏を交互に、いちいち暗転・場転を挟みながらやるとか、

舞台を真ん中で区切って、上(かみ=右側)と下(しも=左側)で場面を分けるとか、

一段高いステージを作って、上(うえ)と下(した)で分けるとか、

あとは手前と奥で分けるとか……

まあどれを選んでもせせこましい芝居になってしまいそうな危惧があったわけです。

で、結果としてはどうだったかというと、

考え得るあらゆる手法のハイブリッドでした。

 

前提としてはステージとバックステージを交互に描く構成であり、

バックステージのときには前述のモニターが降りてきて、

小道具置き場の棚や、衣装掛けや、舞台監督の座席などが出てきます。

で、劇中劇のシーンになると、

だいたい7尺四方くらい?の箱型の装置がいくつも出てくるのですが、

この箱がとにかくすごい。

MVPと言っても過言ではない。いや、MVB(ボックス)か。

 

それなりの高さがある頑丈な箱は、側面が不思議な素材になっていて、

真っ黒な箱に見える時もあれば、

アクリル板で囲われた巨大水槽のようになって中に入った演者が見える時もあるし、

とにかくまあよく動く。

印象的だったのは、箱の上や前方で繰り広げられる『ジョージ2世』の重要シーンを、

箱の中=舞台裏にいるスタッフや刑事たちが見守っている構図。

なるほど、そうすれば完全な同時進行で表も裏も見せられるし、

その場面が終わればまた箱が動いて別の見せ方に変わるから

せせこましくもならない。さすが。

 

可動式の舞台装置がめちゃめちゃに動き回る芝居というのは実は結構見慣れていて、

それこそ2.5次元ではよくあるんですよね。特に赤坂ACTくらいのサイズだと尚更。

一つの装置が複数の役割を持つこともしばしばで、

それを芝居中の役者たちが自らガンガン動かしたりすることもあるので、

見る側としてはちょっとハラハラもしつつ、興奮してしまうわけで。

今回の箱型装置はそこまで激しく動きはしないものの、

ときに王宮の床になったり、役者たちが本音を語らう舞台袖になったり、

本来見えないはずの舞台裏を見せてくれる透明の壁になったりと、

思わず唸る工夫がこれでもかと詰め込まれていました。

しかもこの壁、鏡にもなるんですよね。

客席に向けられた大きな鏡に映った我々は、

スタンディングオベーション』の客ではなく、

『ジョージ2世』の客の姿なのだ、と解釈しました。

 

この章の最後に、派手ではないけどじわじわ面白かった演出について。

『ジョージ2世』は「客が寝るほどつまらない芝居」という設定だったわけですが、

この「つまらない芝居」を絶妙につまらなく再現していたのが本当に巧みでした。

実力のある役者を揃えているので壊滅的に駄作にはならないけど、

配役はチグハグだし、セリフは仰々しいし、突然ショータイムみたいのはじまるし、

どうしても睡魔に抗えなくなっちゃうよね、って程度の、

ものすごーくちょうどいいラインのつまらなさがお見事。

 

刑事に「これ面白いの?」と訊ねられたプロデューサーは

「芸術だから」と開き直ってしまいますが、なぜ開き直るかというと、

つまらないのはわかってるけど、

どうしてつまらなくなってしまったのか、

どうすれば面白くなるかがわからないから開き直るわけです。

これっておそらく実際の演劇の現場でもしょっちゅう起こっている現象なはずで。

 

しかし『ジョージ2世』と違って『スタンディングオベーション』の作り手は

つまらないものが出来上がってしまう仕組みをよーく知っているから、

「絶妙につまらない芝居」をリアルに描ける。

面白いものの作り方をちゃんと知っているから、

「アート」に逃げず「エンタメ」に昇華できる凄みがある。

 

いやぁ、ほんと、ウォーリーさんすごい。

オリ○ピックの開会式作ったやつに爪の垢煎じて飲ませたい(突然の暴言)

 

 

悪運強すぎオタクと相棒の話(という名目の自慢話)

コロナの前には年間3〜4本ペースで観劇していましたが、

自分で言うのもなんだけど、結構座席運は強め

でもチケット運はそこそこなので残念な結果も少なくないけど、

「チケットさえ取れてしまえばあとは任せろ!」 くらいのつもりで生きています。

 

それにしたって。

今回はちょっとすごかったです。

人生最高の良席。これを超えることは今後ないでしょうおそらく。

お察しかと思いますが、この章はただの自慢話です。

あのね。

筆者の隣に寺脇さんが座ったんですよ。

 

前方ブロックが8列あって、その後ろ、広めの通路を挟んだ9列目、

下手ブロックのセンター寄りって時点でもう勝ち確。

風の噂で「キャストが客席に来る」っていうのは聞いてたんですよ。

こんなもん絶対目の前通るじゃん。

あと単純にトイレとか行きやすいしね。

 

ホクホクしながら開演を待ってたんですが、

せっかくの良席なのに、左隣の人がなかなか来ません。

結局、ベルが鳴って客席が暗くなっても誰も現れませんでした。

このとき筆者は「もしや」と思います。

これひょっとするとひょっとして、演出のために空けてる席じゃね?

 

開幕早々主演のセリフが長くてハラハラしちゃったので

そんな思考は一瞬で吹っ飛んでしまったのですが、

あれは開始30分くらいなのかなぁ。

悪運つよつよオタクの予感は的中します。

 

客席に逃げ込んだ殺人犯を探すため、

案内係の女性の制服を拝借した二人の刑事が、

遅れてきた客に扮したプロデューサーとともに客席に侵入。

こっそり座席を見て回るはずが、

うっかり目立ってしまい、あわや舞台が台無しに? という場面。

 

あの寺脇康文さんが。

隣の空席に。

思いっきり座りました。

……ひえぇぇええええ!!!!!!

 

時間にしたら10秒かそこらだったと推察しますが、

めっちゃ長く感じました。

高校生のとき車に撥ね飛ばされて

見るもの全てがスローモーションになる経験をしたんですけど、

それに近い感覚。(ちなみに悪運つよつよなので骨折すらしなかった)

脳裏を走馬灯っぽいもんが流れましたもん。

なんならあのテーマ曲の幻聴も聞こえる。

人生で一番暇だった学生時代、平日昼間は大体『相棒』の再放送見てたからね。

亀山くんのシリーズなら少なくとも3周はしてる。

その亀山くんですよ。あの薫ちゃんだよ。

てかその前の週のANNのジングルでルパンの真似とかやってくれた人だよ。

それがいま、隣、ってか、えっ、近っ、はっ? 近いな!?

 

多少予想してたくせにこの為体ですから、

正直、そこで何が起きてたかはちゃんと把握できてません。

こんなとこ座っちゃダメだよ的な、目立つなって言ったでしょう的な、

そんなやりとりが行われていたような気がする。

あと、「ご迷惑おかけしてすみません」的な目配せももらった気がする。

とりあえず嬉しくて楽しいことは伝えなきゃなと思って、

めっちゃ笑っときました。

マスクしててもわかるように目で笑うよう意識したので、

冷静に考えたらものすごくキモい顔になってただろうな……。

以上、悪運キモキモオタクの自慢話でした。

 

こんな〇〇〇〇見たことない!

お気付きだろうか。

ここまでで既に6千字以上書いているにも関わらず、

この筆者、ほとんどジェシーの話をしてない

外堀埋めすぎて山脈になってる。

さーて、いい加減主演俳優の話をしましょうね。

 

事前に得た情報によると、我らがジェシーの役どころは

「客寄せパンダとして呼ばれ不相応な役をやらされるイケメン俳優(要約)」

……いやいや、これをよりによってジャニーズにやらせるとか、

ものすごい皮肉じゃないか! となぜかワクワクしてしまう筆者。

 

予想できるキャラクターとしては、

大した実力もないのに人気があるからと天狗になってる青二とか、

あるいは、

自分の事務所の我儘に周りを巻き込んでしまった申し訳なさで萎縮する小心者とか、

他にもいろいろなパターンの俳優像が思い浮かびましたが、

蓋を開けてみたら想像以上に「THE・ジェシーでびっくりでした。

 

冒頭の長台詞はまったくジェシーっぽくなかった。

めっちゃ日本語上手かった。

よく覚えたねえらい!ってなった(全自動過保護マシーン)

 

ジェシーにとって、そして鳴島誠也くんにとっても懸案だった

「75歳の王」を演じるにあたっても、一生懸命試行錯誤した上で、

とにかく堂々と振る舞おう! と頑張っている感があり、

「冒頭はちょっと下手くそめに演じたりするのかな?」などと勘繰ってた者としては

立派じゃんえらい!ってなった(全自動過保護マシーン)

 

一方、コミカルな舞台裏のシーンでは、

より一層ジェシーみの強い誠也くんになります。

事前情報では「イケメン俳優」とありましたが、

実際は「飛ぶ鳥を落とす勢いのトップアイドル」とのことで(ジェシーじゃん)、

しかもそれを本人がボケとして自称しちゃうんだから憎めない(ジェシーだね)。

 

諸々の「忖度」や「大人の事情」に関してもかなりオープンで、

巻き込んでしまった皆様に申し訳ないという気持ちもなくはないけど、

それが原因で卑屈になることはないというか、

「芸能界なんてこんなもんでしょ?」的な開き直りすら見受けられるので、

そこもちょっとジェシーと重なるというか、

誠也くんもきっと芸歴長いんだろうなって思った次第。

 

役に対する不安もあるし、それを口にしてしまう素直さもあるけれど、

ただの客寄せパンダで終わっちゃいけないという意地と、

「何事も経験」的なチャレンジ精神も持ち合わせていて、

その上ムードメーカーでもある。

そんな彼を、「娘役」は息子のように見守っている(複雑)し、

「演助」は叱咤してくれるし、

ベテランも若手もみんな「せいや」「せいや」と声をかけて盛り立ててくれて、

彼が表舞台のみならずバックステージでも人気者であるということがよくわかります。

事件をきっかけに誠也くんは大きく成長するわけですが、

それ以前から既にちゃんと彼中心のカンパニーが出来上がってるんですよね。

本人にそのつもりはないかもだけど、座長としての役割は果たせちゃってる。

引っ張っていく「リーダー」というよりは、

いつでも真ん中にいる「センター」という感じの座長。

いや、もう……ジェシーじゃん。

いや、ちゃんと鳴島誠也くんなんだけど。

とにかく、こんな当て書き見たことない!

 

当て書きっていうのは、ざっと説明すると

「先に役者が決まっていて、その人に合わせて脚本を書く」って手法のこと。

有名どころだと三谷幸喜がよくやると言われていますが、

「この俳優にこれを演らせたらハマるだろう」

「この俳優のこんな役を見たい」という「夢」を実現させる

一点もののオーダーメイド的な脚本に仕上がるのが当て書き。

と筆者は認識しています。

 

脚本も演出も役者も(ときには観客でさえ)みんな身内で、

手の内がほとんどバレてるミニマムな組織(学校の演劇部とか小さい劇団とか)だと、

必然的に当て書きみたいになっちゃうことが多々ありますが、

名立たるプロデューサー・脚本家・演出家が揃い、

様々な経歴・世代の俳優陣が集結し、

大手マスコミの主催でもってお送りされる舞台で、

こんなにも当て書きっていうのは珍しいんじゃないでしょうか。

そうでもないのかな。どうなんでしょう。

 

鳴島誠也という架空の人物の経歴やキャラクターは、

ジェシーという実在の人物に可能な限り寄せて作られているし、

劇中劇で演じるのが「王」の役だという設定も、

ステージ上でのジェシー「王者の風格」を知ればこそ作れたもののような気がするし。

 

もちろん絶妙にジェシーとはズラしている部分もあって、

「お父さんが名俳優」というのがその最たる例なわけだけど、

これもどこかすごーく身近で聞いたことがある設定なんですよね。

故人って部分は全然違うけど、ある程度SixTONESを知ってくれてるお客さんなら

「おやおや……?」ってならずにはいられないところでしょうし、

そうなるのを狙ってやってる可能性も低くない。てか高い。

 

脚本にセリフとしてあったのか、

アドリブでやったものがお決まりのパターンに進化したのかはわからないけど、

エリザベート』をネタにした会話も毎回あったみたいだし、

とにかくこの芝居はジェシー」そして「SixTONES」という存在が

最初から最後までずっと付き纏ってくる芝居なわけです

ただでさえ『ジョージ2世』という舞台とその裏側を同時に描く二重構造なのに、

「トップアイドル役を演じるガチトップアイドル」というものを常に意識させられる

三重構造になっていると言っても過言ではない。

 

であるとすれば、この芝居は

ジェシージェシーによるジェシー(とそのファン)のための芝居」だったのか。

それは「否」だと筆者は思います。

どんなに演者のパーソナリティに寄せていても、

物語は徹頭徹尾、鳴島誠也とカンパニーの特別な1日を描くものとして

しっかり機能していました。

 

そこには誠也くんを取り巻くストーリーだけではなく、

例えば、かつて袂を分かった元夫婦の愛の再生の物語だったり、

とある青年の苦悩に手を差し伸べようとした名優の嘆きだったり、

「演劇」という世界に魅了され翻弄される人たちの情熱だったり、

そういった数々の胸を打つ要素を練り上げながらラストへと突き進む、

群像劇としてのバランスもとても素晴らしかった。

 

スタンディングオベーション』は、

劇中劇『ジョージ2世』のような忖度まみれの興行ではない。

それに、客寄せパンダとして主演に据えるのではなく、

喜劇俳優としての才能を開花させるためジェシーを起用した。

それくらいの壮大な意図のある芝居だったように思います。

 

そんな製作陣の目論みと期待に気付かないほど鈍感な人ではないから、

ジェシーにかかるプレッシャーはとんでもなく重かったことでしょう。

そりゃもう誠也くんの比ではないくらい。

メンタル面の負担だけでなく、フィジカル面でも毎日喉をバグらせながら、

本当によく全公演走り切れたなって、ただのオタクですらホッとしちゃって

祝杯だ! 酒持ってこい!ってなる。

 

ステージから滲み出る座組の雰囲気もとても良さそうで、

そりゃジェシーみたいなのと寺脇さんがいたらそれだけで楽しいのは確定だけど、

もし自分が共演者あるいはスタッフだとしたら、

こんなにもメタい内容を正面から全力で演じきる座長のことを

尊敬せずにはいられなかったんじゃないかなと想像します。

 

物語のクライマックス。

客席に潜む咎人に伝えたい想いが溢れ出した誠也は、

75歳の王の仮面を脱ぎ捨て、たった一人に向けて語りかけます。

この時点で、『ジョージ2世』は芝居としては破綻してしまったし、

事件のことをまだ知らされていない観客は驚いて目が覚めたかもしれない。

でも、事情を知る共演者、スタッフ、刑事、そして一人の青年の心には、

彼の飾らないまっすぐな言葉は強く深く響いたはず。

 

役を降りたその瞬間も、彼は"王"たる人間だった。

そんな鳴島誠也像を生み出し、演じ切った、

ジェシーのカリスマ性がまじぱねぇ(全自動褒めちぎりマシーン)って話でした。

 

秋元氏と某大手芸能事務所に関する推察

ここから先は純度100%の蛇足ですので、

9千字読んでもまだ元気!って方だけどうぞ。

 

再三言っとりますが、『スタンディングオベーション』は

めちゃめちゃメタい芝居でした。痛快な程に。

こんなにメタくて、色んな意味で挑戦的(いっそ挑発的)なプロジェクト、

秋元氏プロデュースじゃなかったら許されなかったんじゃないかとも思います。

 

氏には、常人には考え及ばないとんでもないアイディアと、

そのとんでもないものを実現させる権力があります。

そんな大物がこのコロナ禍に満を持して仕掛けてくる新作舞台の

主演に選ばれるジェシー=デビュー2年目ってまじすごい(全自動以下略)

 

いやはや、それにしても。

よく事務所許したな。

 

劇中、誠也くんの所属事務所の名前は一文字も出てこなかったけど、

日本にずっと住んでて人並みにテレビを見たりしている人なら

誰もが「ジャニーズのことか?」ってなるわけで。

「主演しか受けない」なんてセリフを聞くと

「やっぱりジャニーズのことじゃん」ってみんな納得しちゃうわけで。

 

いや、もちろん事実としては、主演しか受けない事務所ではないけどね。

それはある程度ジャニーズ帝国への入植が進んでいる人は知ってることだけど、

世間一般の平均値を取ったら「主演かバーターか」ってイメージが強いわけで。

実際、劇場でも誠也くんの事務所ネタはかなりウケてたから、

みんな考えてたことは同じなんじゃないかなって思う次第。

だからよく許したな事務所、って感心するんですけど、

やっぱりそこにも秋元氏のネームバリューが関わってくるんでしょうか。

 

秋元氏とSixTONESと言えば、

どうしたって『バカレア』のことを思い出さずにはいられません。

筆者はリアタイで見てたわけじゃない、というか存在も知らなかった新参ですが、

沼にハマりかけの頃、ちょっと調べたらすぐぶち当たりました。

そして思いました。

なんで彼らはバカレアの時にデビューできなかったんだ? って。

 

真相は深くて暗い藪の中にあるので、自分にできるのは「もしもの話」くらい。

もし、あの頃、あの6人があの勢いでデビューしていたらどうなっていたか。

ひょっとすると、いや、結構高めの確率で、

彼らをスターにした手柄は半分秋元氏と日テレのものになっていたのではないか。

そうなっていたら、「創業者絶対主義の組織」としては

あまり面白くなかったかもしれない。

そんなことも考えてしまったりします。

 

万が一、バカレア組解体の真相がそんなところにあろうものなら、

あまりにも子供じみていてダサすぎるので絶対無いとは思いますし、

結果論として、彼らは2020年にSony Musicからデビューできたのが大正解である

という事実は今更揺らがないので、邪推はこの辺で。

 

結局なにが言いたいかというと、

パンフレットのコメントでも触れてくださっているように、

秋元氏サイドとしてはずっとSixTONESのことを忘れずにいてくれた、

それどころか、随分気にかけてくれていたような気配すらあるということで。

だって、デビューからはもう一年半が経過してるとは言え、

このご時世のことを考慮すると「爆速」とも呼べるスピード感

ご一緒できるお仕事を持ってきてくださったんですよ?

もしかして、SixTONESが売れるのを待ってたんですか? って訊きたくなっちゃう。

 

そんで出来上がった作品が皮肉まみれのコメディときたら、

やっぱなんか確執ありますか???大丈夫ですか??? って訊きたくなっちゃう。

訊きたくなっちゃうけど、「事務所がこの企画を許した」という事実こそが

「確執なんてないよ」っていう答えなんでしょうね。きっと。

 

最後にこれもまた憶測ですが。

秋元氏のみならず、

彼らが売れるのを待ってくれている大人はたくさんいるような気がしてなりません。

そういう方々と”最新のSixTONES”との化学反応

この先も我々を大いに興奮させてくれるのだろうと思うと、

SixTONESのオタクやるのってめっっちゃ楽しいね!!(クソデカボイス)

 

改めまして、ジェシーとカンパニーの皆さん、

全公演完走おめでとうございました!!

これからも怪我なく病気なく素敵な舞台を作り続けていかれますよう

心よりお祈り申し上げます!

”◯”の人

おととし12月の京本誕に始まり、

翌年3月の髙地誕、6月のジェシー誕、

そしてなぜか丸一年あいだを開けて今年6月の松村誕・田中誕と繋ぎ、

ようやくトリの森本誕ブログに辿り着きました。

(筆者が満足感に浸りたいがために)ここで一気におさらいでもしときましょうか!

 

まず1人目京本大我さん

ma2boxxxxxx.hatenablog.com

SixTONESのメインボーカル、そしてミュージカル俳優としての活躍を軸に、

”芯”の人」として語らせていただきました。

 

続いて2人目髙地優吾さん

ma2boxxxxxx.hatenablog.com

バラエティスキルや「一般人」っぽさ、そして「縄師」というパワーワードを元に、

すばり「"縄"の人」で書かせていただきました。

 

かなり遅刻した3人目のジェシーさん

ma2boxxxxxx.hatenablog.com

彼のキャラクターや声質、音楽性から感じる様々なことを、

"和"の人」というキーワードで紐解きました。

 

1年休んでようやく書けた4人目田中樹さん

ma2boxxxxxx.hatenablog.com

ラップ担当・MC担当としてのスキルと矜持と献身を、

”捧”の人」と定義して分析しました。

 

前回5人目は松村北斗さん

ma2boxxxxxx.hatenablog.com

俳優として、アイドルとして、高めのハードルにガンガン挑んでいる印象を

"難"の人」として長々と書き連ねました。

 

そして今回、6人目が森本慎太郎さんなわけですが、

いやぁ、困った!

多岐に渡る彼の活動の、どこにフォーカスを当てるのか、

まずそこが決まりません!

だってあまりにもユーティリティプレイヤーすぎる!

 

考えれば考えるほど謎は深まるばかり。

単純そうに見えて(失礼)、全然掴めない。

一体何者なんだ、森本慎太郎

いくつの顔を持っているんだ、森本慎太郎

モリの森の中ですっかり迷子になってしまったけれど、先に言っておくね。

 

誕生日おめでとう慎太郎!!

 

本当に申し訳なかったと今では思っている

前回からの繰り返しになりますが、筆者が初めてSixTONESを認識したのは

まだJr.の頃に『JAPONICA STYLE』を披露したMステでした。

これまた繰り返しになりますが、そのとき筆者が知っていたのは

髙地・ジェシー・田中・京本の4人で、

森本慎太郎」の名前にはまったくピンとこなくて、

完全に知らない子だと思っていました。

その数ヶ月後、

彼が「スノープリンス合唱団」の「あの子」だと知った時の衝撃たるや。

 

当時めちゃめちゃテレビ出てたし、

「ちびっ子じゃん!」ってインパクトも強かったので、

ジャニーズ方面に疎くてもなんだか知ってたし、覚えてた。

覚えてたけども…………

大きくなったなぁおい!!

人生で2回しか会ったことない親戚のおじちゃんみたいなスタンス。

 

声変わりもまだな小学生だろうに、たくさんの子どもたちを引き連れて、

紅白やなんかでも顔色変えずに歌いきる様に、

とんでもねぇ度胸の持ち主だな

と感銘を受けた覚えもあります。

幼すぎて状況を深く理解できてなかったにしても、緊張しないわけないのに。

あと普通に歌も上手だし、抜擢されて納得のビジュアルだし。

 

……とまあ、こんな感じで彼自身に対する評価は悪くはなかったのですが、

正直、なぜか、「大成しないだろうな」とも思っていました。

近年はその傾向が薄まってきていますが、

昔は「子役は大成しない」ってよく言われてたので、それに近い気持ちがあり。

 

加えて、「合唱団」としてバックについている子どもたちの中には、

彼よりも大きな子も多くいて、この分だと、

幼くして妬み嫉みを受けることもあるだろうなぁと。

さらに彼の年齢不相応な隙のないパフォーマンスは、ある意味ロボット、

もっと悪く言えば操り人形のようにも見えてしまい。

この天使のような少年は、大きくなっても操られ続けるのだろうか。

それともいつか自由になって、『あの人は今』とかに出るんだろうか。

そんな冷め切った目で見てしまっておりました。

要するに、森本慎太郎個人がどうこうというよりも、

青少年を利用したショービジネス全般に懐疑的だったってことです。

しかしそんな風に冷めていても、チャンネル変えようとは思わなかったんだよなぁ……。

 

スノプリ後の活躍を筆者はまったく知らず、

いきなりSixTONESとしてドンッと現れた形でしたので、

「まだやってたんだね彼は!」という驚きと、ちょっとの嬉しさと、

「すぐ辞めそうとか思ってごめんね」という気持ちのミックス。

それとやっぱり「大きくなったな!」って(しつこい)

ただ成長しただけじゃなく、ジャニーズらしからぬガタイの持ち主になっていて、

しかもそんな彼が浮かないくらい他のメンバーもデカいという衝撃。

もちろん操り人形になんか見えるはずもなく、 

「良い居場所を見つけたんだね」とほっこりした気分になりました。

すぐ消えるとか思ってまじごめんな。本当に悪かったと思っています。

 

さて、こうしてファースト&セカンドコンタクトについて振り返ってみたわけですが、

やっぱりいまだにどこにフォーカスするか決めきれません。

漢字一文字なんてもっと決まりません。

いつも難しい難しい言うけど、今回はガチオブガチ。

いっそ「謎」にしてみるか? などど思いつつ、

他のメンバーの記事を見返したりしてみたら、あることに気付きました。

慎太郎って、他の5人との共通項が多くない?

そこからさらに思考は飛躍し、辿り着いたのは

SixTONESを凝縮して一人の男にしたら森本慎太郎になる説。

 

京本と森本の似てるところ

グループ最年少という肩書きに誤魔化されがちですが、

彼はめちゃめちゃにベテランであります。

筆者がまだ大学生やってて毎日昼まで寝てた頃から、

当時小学生の彼は立派に働いていたわけです。

あ、ちょっと今のはグサッときたぞ。

 

そのキャリアの長さに裏付けされた、彼のスキルと審美眼は、

同じくベテランである京本大我にも共通してみられる特性であります。

まあこういう話をすると、

SixTONES全員ベテランだよってことにもなっちゃうんですが、

「たった数年の差でも、積み上げてきたものには違いが出るんだな」と思った

できごとがありました。

それがヤクルト・ジョアのCMで見せたジョアダンス」です。

 

いつも各々の魅せ方で主張してくる、いい意味でバラバラなSixTONESのダンス

でもあのジョアダンス」に関しては、

個性を爆発させるわけにもいかないお仕事だったと言えます。

メイキング映像(いまはもう公式動画が無い)を見れば一目瞭然なのですが、

わかりやすくミスをした髙地を筆頭に、実はこっそりミスってた松村

ちゃんとしてると見せかけて所々ステップが乱れていた田中

後輩組3人が苦戦する中、

ランドセル背負ってる頃から事務所にいる京・ジェ・慎の先輩組3人

易々とクリアしていました。さすが。

これを目の当たりにして筆者は、

「キャリアの長さって如実に現れてしまうんだなぁ」

軽く愕然としたような心持ちにもなったものです。

 

付き合いが長く、いつも一緒で、

まるで兄弟のような喧嘩もしていたという京本&森本ペア。

体格も違えば筋力も違う、さらには好みの音楽だって異なるから、

アウトプットされるのはまるで別物ではありつつ、

基礎的なダンススキルの高さ、対応の速さ、体の軽やかさ、動きのしなやかさには、

同じだけの経験を積んできた者としての共通項が多いように感じます。

 

さらにこの二人、

思ったことを結構ズバっと言っちゃうという点でも似ています。

そしてその特性がメンバーに受け入れられているどころか、

むしろ信頼まで集めているというのが面白い。

かたや末っ子、かたや坊ちゃんというキャラゆえに許されている部分も

なきにしもあらずなのかもしれませんが、どちらかと言えば

これまで培ってきた審美眼と嗅覚に一目置かれている

と見た方が正確でしょう。

思考を言語化するのがあまり得意じゃないタイプではあるものの、

彼が「なんか違くない?」と言えば、メンバーもスタッフも一旦立ち止まる。

そして結果的に前より良いものができる。

 

進んでいる話をビタリとストップさせるのはなかなかエネルギーのいることだし、

信頼できる人がかけるブレーキじゃないと仲間も止まりません。

そんな役を引き受けられる人が二人もいるんだから、

つくづくSixTONESっていい職場だなって感心してしまうのです。

 

松村と森本の似ているところ

彼のもうひとつの誇れるキャリアが、言うまでもなく役者業です。

子役という立場でありながらいきなり主演映画なんて、

エリートにも程があるけど、

どれほどのプレッシャーだったかはちょっと想像がつかない。

 

筆者がSixTONESの沼にハマりかけていた時期が、

ちょうど『監察医朝顔の第1シーズンの中盤くらいだったので、

役者としての彼の姿はかなり早い段階で確認できたと言えます。

ただ、その後に見られるはずだった燃えよ剣

もう待ちすぎて首が伸びに伸びて、キリンとタイマン張れるレベル。

朝顔の第2シーズンではかなりセリフも増え、重要なシーンも任され、

SixTONES6人中2名が安否不明って週があったりもしました。

「森本刑事」以外を演じる彼をようやく見ることができる次の連ドラが

非常に待ち遠しいです。

 

日曜夜の超人気看板バラエティ番組にほぼレギュラー出演しているにもかかわらず、

SixTONESにおいてはバラエティ三銃士に数えられることはなく、

お芝居ツートップの名を冠している森本。そして松村。

あの京本大我が名付けただけあって、二人のお芝居には確かなキャリアがあります。

『バカレア』のときも彼らはツートップ的な立ち位置だったと聞いているので、

メンバーにとっても古参のファンの方にとっても、思い入れが深いことでしょう。

その二人が、今SixTONESの先頭で映像の現場を荒らしている(言い方)のは

最高にエモい。

 

さて、前回のブログでも長々話してしまったのですが、

一応演劇経験のある筆者が思う、お芝居ツートップの優れているところは、

すばり発声の良さであります。

基礎中の基礎。だからこそ大事。

 

数名の刑事が険しい表情で会議を行っているところへ、若い刑事がやってきて、

捜査に進展をもたらすかもしれない新情報を報告する。

若手刑事役をやっていれば必ずと言っていいほど演じるシチュエーションです。

状況はシリアスだし、シーンは屋内、セリフを告げる対象(上司)との距離も近い、

となれば、そんなに大きな声を出していい場面ではありません

その一方、短い時間にたくさんの専門用語を詰め込んだ細かいセリフになりがちで、

囁くような喋り方にすると、なに言ってるかわからなくなってしまいます。

 

筆者が初めて朝顔を観たときも、

まさに上記のシチュエーションでの森本刑事の出番がありました。

そして一発で感心しました。

この子、発声がいい!!

聞いていてうるさくない自然な声量で、

かつ、聞き取りやすく、わざとらしくもないセリフ回し、

でもしっかり腹から声が出ている。ブラボー。

 

そののちにYouTubeを見漁るようになってから知ったことですが、

彼は普段の声も相当デカいので、

「腹から声を出す」ということに天性の才能があるのでしょう。

ただ、それだけではなく、

やはり舞台経験の豊富さというのも無視できないと思います。

 

こんな風に比べてしまうのは大変申し訳ないのですが、

早くからデビューしてテレビドラマに出まくってる先輩と、

舞台の場数を踏みすぎるくらい踏んだSixTONESじゃ、

(ドラマ以外のバラエティなどの現場においても)発声が違うなと筆者は思っています。

勿論声がデカいだけじゃ話にならないし、

最初からテレビドラマの声量にアジャストしている先輩もそれはそれですごいです。

でもSixTONESのお芝居ツートップは、

どんなセリフもしっかり丹田(お臍の下あたり)から出して

あとは喉の広げ方や息を吐く量などで

映像向けの声量に調節し、さらに感情も乗せることができるので、

見ていて非常に安定感があるなぁと感じます。

 

ゴツく育ってしまったことを自虐的に語ることもあるけれど、

体つきにしろ顔つきにしろ、

同年代に彼と似たタイプの俳優さんはあんまりいないような気がするので、

そこはものすごい強みになると思います。

そして身近に松村北斗という気鋭の俳優がいるわけですから、

お互いが刺激し合えばすんごいことになるのは間違いない。

DASHが忙しすぎて大変だろうけど、

俳優・森本慎太郎の芝居も、もっと見たいんだぜ!

 

髙地と森本の似ているところ

DASHの話が出たので、ついでに語りましょう。

 

シンタローが動けば『ライオンキング』が流れる野生児にして、

あのTOKIOも苦戦する番線のコツをすぐに掴む器用さと勘の良さを誇り、

さらにはいつのまにか資格を取得していたりする抜け目の無さもある、

まさに最強の後輩的ポジションを短期間で確立。

改めてこう書くとすげぇな。

 

このロケバラエティへの対応力と、趣味と仕事が地続きになっている感じが、

彼と髙地の共通点かなぁと思います。

 

最年少の先輩と最年長の後輩、という部分だけ取り出せば

正反対の境遇で育ってきた二人でありますが、

ハマっこA型、いつのまにか資格持ってる、多趣味

特に男の子が憧れるような分野への造詣の深さと、

そういうジャンルが抜群に似合ってしまうところは非常に似ていて、

二人のユニット曲『My Hometown』MVにもそれがバッチリ生きていました。

 

だったらこのふたり、プライベートでも仲良さそうな雰囲気あるのに、

実際そこまでじゃないってのがThe SixTONES

どうやら一緒にツーリングに行ったことがあるようなのですが、

ANNの近況トークリストには載っていたのに詳細が語られないという

ファン生殺し状態で迷宮入りしました。

あと、ライセンス持ってるくせに森本ダイビング部の話に全く絡んでこない髙地

なんだこの絶妙な距離感。おもしろ。

(※この文章書いた直後、

髙地がブログでツーリングはOKなのにダイビングはNG出してた。おもしろ)

 

プライベートでもメンバーと絡みたい森本と、

絡みたくないけど絡まれる髙地

彼らはここでも正反対なようでいて、でも実は、

グループに対して抱いている想いはとても似ていると思います。

 

SixTONESのためなら一人でも戦うと腹を括っている最年少。

SixTONES俺がなくさせないと強く誓う最年長。

共に表立って引っ張ったりまとめたりするタイプではないけれど、

エマージェンシーの際には最後の砦になってくれそうな信頼感があります。

これからもいろいろなことに興味を持って、その道を極め、

ロケで重宝され、プライベートでは付かず離れず、

4人をニコニコ見守っているようなふたりでいて欲しいものです。

 

ジェシーと森本の似ているところ

SixTONESが誇るボケのツートップにして、

爆弾あるいは起爆剤であることを自認し、

「ふたりでラジオやらせて」と言ったら秒で断られた男たち

それが我らの最年少コンビ・末ズ。

結局このふたりが一番似てるのは火を見るより明らかなのかも。

 

最近なかなか新作が出なくて寂しいですが、

ドライブ企画の車内トークこそが面白仲良し集団SixTONESの真骨頂であり、

巻き起こる笑いの渦の中心にいるのはだいたいこのふたり。

「カツ揚げりゃよかった」とか、今思うとまじで意味わかんないけど

事実として永遠に笑ってられるんだからしょうがない。

 

そんな台風のような勢いそのままに他番組にも乗り込んでいくのかと思いきや、

ふたりともめっちゃ空気は読む。

でも振られたら全力で答えるし堂々とスベる。いっそ爽快

 

いまだに忘れられないのはやっぱり『しゃべくり』の空手のくだりですが、

あの場面で原田泰造をおちょくるという選択ができたのは本当にお見事。

その一方、ドラマの番宣で出た番組では比較的おとなしく、

たまに冗談を言ったりするくらいのThe・好青年を見せつけてきます。

何度も言うけど、めっちゃ空気は読めるので

最近だとTOKIO不在のDASHでダジャレの才能を開花させるなど、

地上波で思い切りボケられる場面も増えてきたように思えます。

 

ジェシーはリフォーム、森本は開拓・開墾で、

一生懸命頑張る若者の姿を見せてくれるというのも、

このふたりの誇るべきところ。

現場を明るくする愛嬌がありながら、

疲れたら疲れた顔になっちゃう素直さもあり、

こんなん大人たちに気に入られて当然なのよ。

 

そんなコミュ力の鬼である末ズ。

ジェシーの交友関係の広さ深さは今更言うまでもないけれど、

森本もだいぶやばい。

よくつるんでるからジェシーと共通の友達も多いようだけど、

いつのまにか仲良くなってる芸人さんとか、

実は昔から繋がりのある俳優さんとか、

子供の頃にお世話になった縁がデビューを機に復活した大御所とか、

とんでもないタイミングでとんでもない名前が飛び出したりするから

油断ならねぇのなんの。

SixTONESはみんな「人をたらす」ことに定評がある(当社調べ)けれど、

やっぱり末ズはダントツですげぇし、いかんせんあまりにも陽キャ

これからもどんどん人脈を広げて、

いつかジャスティンと友達になれると良いね(マジでなりそうで怖い)

 

田中と森本の似ているところ

最後に何かと境遇が似ているこのコンビを。

おそらくこのふたりにしか分かり合えないことがたくさんあって、

そこは最近ハマったようなオタクが語れることじゃないと思います。

だからここでは

音楽的嗜好や役割が似てるかもね

って話をします。

 

コアファンではない世間一般に認知されているSixTONESの楽曲というのは、

YouTubeにMVが上がっている曲

であると言っても差し支えないでしょう。

そうなるとジャンルは邦ロック、アニソン、ボカロ調など、日本色強めのものばかり。

Strawberry Breakfast』なんかも

往年のアイドルチューンのアップデート版として受け取られているようなので、

日本のものとしてカウントされていると見ていいでしょう。

 

しかし、ファンとリトルストーンは知っているけれど、

彼らの持ち歌のほとんどは、

歌詞を占める英語の割合がめちゃめちゃ高くて、

ジャンルもヒップホップだったりR&Bだったりレゲトンだったり、

「今世界で流行っている音楽」を強く意識した曲ばかりです。

いわゆる「洋楽に片足突っ込んでる曲」ってやつです。

 

最近明かされた楽曲制作秘話によると、SixTONESが曲を選ぶ際には、

日本と海外の音楽トレンドがわかる資料を

ソニーがわざわざ作って見せてくれるそうですね。

なんて手厚いプロデュースなんだ。愛してるよソニー

 

しかしその資料がなかったとしても、

ソニーと出会う前のジュニアの頃からずっと、

海外に向けて高い高いアンテナを張っていたのは

田中・森本のふたりだったように思います。

 

あのR-指定も舌を巻くほどトレンドの最先端に喰らい付いていくラッパー・田中。

シュノーケルを咥えたままクッソおしゃれなリクエスト曲をかけるチルの帝王・森本。

ここに、マミーのお腹の中から洋楽聴いてたであろうジェシーが加わることで、

ただの真似っこではない、「本物志向」と評される楽曲になるわけです。

 

さらに、筆者は然程詳しくないので根拠は示せませんが、

森本慎太郎ってラップ上手くありません?

SixTONES以外のグループにいたら、普通にラップ担当だったかもしれないレベル。

Telephone』の「ワナシーヤー」とか、嫌いな人おらんでしょ。

ラップパートを田中に全振りしなくても行けちゃうのがSixTONESの凄さだし、

これからも随所にラップっぽい部分を混ぜ込んだ曲をやっていってほしい。

なんでかっつーと、そのほうが男性ウケがいいと思うんですよね。

 

今現在のグループの人気を語る上でも、この先の展望を考える上でも、

「男性人気の高さ」という指標は絶対に外せないんじゃないかと

個人的には鼻息を荒くしておりまして。

そしてとりわけ田中・森本のコンビに関しては特に野郎人気が高いと踏んでいます。

だって多分

ラップ中の田中の手の動きを真似したことない男子はいないし、

『うやむや』の「グルグルグル」を真似したことない男子もいない。

些か暴論が過ぎましたが、当たらずとも遠からずだと思います。

 

このふたりの高いアンテナと男臭さが消えてしまわない限り、

SixTONES妥協なしの海外トレンド狙い

愉快で楽しい野郎人気狙いが続けられるのではないでしょうか。

 

”◯”の人

凡庸な一般人からしてみれば、

歌って踊れるだけでも充分ユーティリティプレイヤーな訳ですが、

さらに別のスキルを個々が併せ持っちゃっているのがSixTONESのすごいところ。

なので当然、6人全員がユーティリティプレイヤーなのは言うまでもないのです。

それでも、これまでの5人の回では

「ここ!」というポイントを見つけて語ってきたわけですから、

今回それをしなかったことをつまらなく思う読者の方もいるかもしれません。

それは本当に申し訳ないです。

 

しかし、「生涯箱推し」を誓っている自分としては、

SixTONESを凝縮して一人の男にしたら森本慎太郎になる説」

意外としっくりきているので出来れば許されたい。

 

森本慎太郎という男は、感受性が鋭く人間が好きで、自分自身のことも好き。

そんな人は、謂わば

なんでも吸い込むスポンジ

あるいは

描かれている絵がコロコロ変わる不思議なキャンパス

のような存在なんじゃないかと思います。

 

「DASHのシンタローとSixTONES森本慎太郎は別人」

というようなことをいつか本人が断言していましたが、

キャラクターや魅せ方を変えるのみならず、

顔つきまで変わって見えてしまうというのはなかなかに稀有というか、

根っからのカメレオン体質ってやつなんでしょうね。

 

そんな彼が、幼い頃から長い時間を共にし、

これからもずっと一緒にいると誓った5人に少しずつ似てくるというのは、

最早必然だったのかもしれません。

 

たったひとりで重い荷を背負った子供時代。

自分を見失いかけた思春期。

若くして「天国も地獄も見た」と言い切ってしまう彼が、

最終的にSixTONESになることを選んだ。

SixTONESで居続けることを願い、SixTONESでいるための努力をした。

その結果、

5人の良いとこ取りをしたような最強の末っ子が生まれたんだ

と、筆者は考えます。

そして、そんな彼が結成6周年スペシャル月間でしてくれたことを、

オタクは一生忘れません。

SixTONESを代表して毎日素敵なサムシングを発信し続けるのに、

彼ほどの適任はいません。

ありがとう森本企画開発部長。ありがとう慎ちゃん。

 

これからもみんなを愛し、愛され、あらゆるものを吸収し、

”◯”の中身を更新し続ける人でいてください。

 

あらためまして。

森本慎太郎さん。

お誕生日おめでとうございます。

大好きです。

あなたとあなたの大切な人の未来に、幸多からんことを。

”難”の人

結成6周年記念のスペシャル月間のおかげで五月病を免れた我々は、

6月になった途端燃え尽きて倒れるんじゃないかと思いきや、

めっちゃ元気に生かされてますね。

5thシングル情報解禁に新しいお仕事の発表に絶えないメディア露出。

加えて6人中3人も誕生日がいたんじゃそりゃお祭り騒ぎですよ。

そんで来月くらいには『マスカラ』の音源なり映像なりが世に放たれるわけでしょう?

そのままリリース月に突入してしまうわけでしょう?

忙しいったらありゃしないぜ。

 

オタクの分際でもこれだけ忙しいんですから、

SixTONESくんたち本人はもんのすごく忙しいわけで。

その中でも特に多忙を極めているのでは? と噂される男が

今回の記事の主人公です。

 

松村北斗! 誕生日おめでとう!!

 

SixTONES最後の男

デビュー期に出演した朝の情報番組にて、

彼は自らをSixTONES最後の男」とプレゼンしました。

曰く、

メンバー6人をひとりずつ思い出していったときに、最後まで残るのが自分だと。

 

この発言を聞いたときには、

テレビの前で「そんなことないよ!」と声に出してフォローした筆者でしたが、

でも、まあ、その……正直な話……

自分も松村北斗個人を認識できたのは6人の中で一番遅かったものですから……。

 

スク革の子は知ってた。

Rの法則の二人も知ってた。

京本政樹の息子もなんでか知ってた。

スノープリンスの子だと知ってびっくりたまげた。

……と、こんな状態でしたから、

唯一松村北斗のみ、完全ノーマークだったわけです。

もしかしたら彼本人も、こういった「ほんのちょっとの知名度の違い」を気にして

前述の発言に至ったのかもしれません。

 

しかし!

これは2019年夏に突然ヌルッとSixTONESにハマった人間に限った話です。

(【余談】ハマった経緯はこちら↓)

ma2boxxxxxx.hatenablog.com

 それではここで、デビュー以降の彼の出演作をただただ羅列してみましょう。

  • 2020年1〜3月 『10の秘密』(フジ系連ドラ)
  • 2020年9〜11月 『一億円のさようなら』(NHK連ドラ)
  • 2021年1〜3月 『レッドアイズ 監視捜査班』(日テレ系連ドラ)
  • 2021年2月公開 『ライアー×ライアー』(アスミック・エース映画)
  • 2021年5月31日 『女王の法医学〜屍活師〜』(テレ東系単発ドラマ)
  • 2021年秋〜 『連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ』(NHK朝ドラ)
  • 2021年11月公開 『劇場版「きのう何食べた?」』(東宝映画)

シンプルに出過ぎ。はちゃめちゃに売れっ子。

筆者が彼の存在を知ってから今まで、

彼の中になんの役も入ってない時なんてほぼ無かったのではなかろうか。

 

統計を取ったわけじゃないですけど、

俳優・松村北斗を入り口にSixTONES沼に引き摺り込まれた人はたくさんいます。

しかもただ出演作が多いだけでなく、

「ワンコ」という属性まで付与されつつある今日この頃。

彼が「国民的ワンコ」と呼ばれる日もそう遠くはないかもしれません。

これだけ売れておきながら、もう「最後の男」なんて言わせねぇぞ(威圧)

 

さて、とは言え、筆者のようなタイミング、

つまり俳優業からではなく、YouTubeメインで彼を知った者にとっては、

松村北斗は本当に掴みにくい男でございました。

 

2019年夏、筆者は「この沼にはハマりたくねぇ!」とジタバタしながら、

YouTubeにおすすめされるがままにJr.チャンネルを見漁っておりました。

おすすめされるがままということは、順不同。

どうせ全部見るんだから順番に見りゃよかったんですけど、

まさか全部見るとは思わなかったんだもん。

 

順番バラバラで見るとどういうことが起こるかと言うと、

「なんかこの黒髪の子、テンションの浮き沈みが激しいぞ」

っていう事態が発生します。

きょもほくサシトークの黒髪と関コレ密着の茶髪が同一人物なのは

初心者にとっては難問過ぎる。

 

ようやくハマったことを認め、

今度は古いものから順にJr.チャンネルを見ることになるのですが、そうすると

彼がメンバーにもスタッフさんにもだんだん心を開くようになっていった様

を目の当たりにすることができます。

もちろん初期の頃が険悪だったとかではないんですけどね。

ただ、アスレチック動画↓


www.youtube.com

↑における慎太郎の

「北斗があんな楽しそうなんだもんなぁ。来てよかったですねぇ!」の一言で、

新参者でも「なんだか色々あったっぽいなこの子達……」と察するに余り有るわけで。

 

グループ内のポジションとしてはクール&セクシーな役回り。

本来の性質はものすごく人見知りマイペースかつ文学的

でもはしゃぐときははしゃぐし、かまってちゃんだし、

芝居上手いくせに嘘で取り繕うことはしない

陽キャ集団SixTONESの中にあって、彼はちょっと異質な存在であり、

ともすれば「難しい人」という印象をも抱かせます。

 

でもこの「難しさ」って、すごく共感できるというか、

陽キャじゃない側の人間にとっては、身に覚えのある「難しさ」だったりします。

当然彼はトップアイドルなので、我々にとっては遠い存在。

でもなんだか「彼も同じ人間なんだな」と思わせてくれるような存在でもあり。

 

誕生日ブログ恒例の漢字一文字。

ずばり”難”でいこうと思います。

断じてディスってないです! まだ怒らないで!

これから書くのは、ただの「難しい奴」ではなく、

「難しいことを果敢にやる男=松村北斗」のお話です。

 

 

難しい「歌」 

Jr.チャンネルを見漁っていた頃、

正直彼にはあまり「歌」のイメージがありませんでした。

初期の楽曲の歌割りは京本&ジェシーに偏りがちだったし、

「これは生歌じゃないな?」ってパフォーマンス動画も何本かあるし。

でも関コレの『Amazing!!!!!!』のソロパートでは

被せ音源を上回る声量でがなってる姿が印象的で、

「なんて気が強い子なの」って思った覚えがあります。

 

声の良さは喋ってても歌っててもよくわかりますね。

滑舌を改善した経験があるようだし、たしかにちょっとこもりがちというか、

おそらく口腔内を占める舌の体積が……ってこの考察キモいわ。やめます。

 

昔からの彼のファンにはお叱りを受けそうだけど、

SixTONES松村北斗しか知らない者の判断としては、

彼の歌手としての良さが現れ始めたのは2019年以降だと思っています。

 

この年に発表された楽曲は

  • "Laugh" In the LIFE
  • Mr.ズドン
  • Rollin'
  • 光る、兆し
  • RAM-PAM-PAM

というラインナップなんですが、

まず単純に曲がすごく良い。

そして難しい。

 

これ以前の曲ももちろんすごく良いんですけど、なんというかこう、

アーティストとしてのステップが一段上がったと言いますか、

わかりやすいところを挙げると

京ジェ以外のハモリが急激に増えた

とか、

ここぞという場面での京ジェ以外の起用が増えた

ってところが特筆すべき点かと思います。

ちなみに「ここぞという場面」っていうのは、

歌い出しとかサビ前とか落ちサビとかのことです。

 

たとえば『光る、兆し』。

この曲は歌い出しが北斗ソロで、

サビ前は主旋律をきょもが歌っているところに、

前半2小節は樹のオクターブ上、

後半2小節は北斗の下ハモが展開、

サビにいたってはハモリが厚すぎて誰がどこ歌ってるかわからんけど、

最後の「突き進め」のところは北斗のオクターブ下が聴こえるという、

これ以前の曲と比べ明らかに複雑さが増した歌割りになっています。

 

参照している音源が『NAVIGATOR』収録のソニー再録バージョンなので

初公開時よりも進化している可能性も否めません(てか多分してる)が、

少なくとも歌い出しソロとサビ前の上下ハモは当時から存在していました。

そして筆者が認識している限りでは、

きょもほくの上下ハモというお宝が発掘されたのもこの曲だと思われます。

 

筆者は再三申します通りジャニーズに詳しくないので、

デビュー前の楽曲をどういった方が担当されていたのかとか、

いつからレーベルとの曲作りが始まるのかとか、

そこらへんのことは全然わからないんですけど、

もしかしたら2019年あたりからうっすらソニーが絡んでんじゃね?

って思ったりすることもあります。

 

まあそんな与太話は置いておくにしても、

2019年は製作側にとっても聴き手にとっても

松村北斗の歌」に対する期待値が爆上がりした年である

ということに間違いはないかと思います。

 

さて、話を2020年へと進めましょう。

筆者が参戦した『TrackONE -IMPACT-(1/7昼横アリ)』のMCにおいて、

6人がデビュー曲『Imitation Rain』について語る場面がありました。

そこで北斗が自分のパートはほぼ下ハモであることに言及し、

「(低音が)出たら歌ってと言われた。だからもし出なかったらパートなかった」

と明かしていたのが印象的でした。

 

その後公開されたレコーディング動画↓では、


www.youtube.com

 

「歌における自分の居場所がなかったんですよずっと」

「音楽チームのプロの方々に、低いの出るし、太くて良いねって風に言ってもらって」

「高い方もすごい高いとこまで出るって言ってもらえて」

「どっちも音域を広げたい」

「やっと見つけた居場所なんで伸ばしていきたいと思います」

と語っていました。

 

これを踏まえて実際に『Imitation Rain』を聴いてみると、

まあ見事に本当にほぼ下にいる松村北斗

特に転調パートの

きょも主メロ・ジェシー下ハモ・北斗オクターブ下の三層は圧巻で

美しい楽曲のハイライトにふさわしい荘厳なハーモニーとなっているわけです。

 

各音域の歌うま人間を選抜して作ったコーラスグループとかならともかく、

ボーカルに関しては特別な訓練を受けていないアイドルが、

男声のみのオクターブハモをこんなにガンガン多用するとか、誰が想像できたでしょう。

そもそもジャニーズは歌のレッスンしないって事実が衝撃だったけどもそれは余談。

 

「オクターブでユニゾンできちゃう」SixTONESの大きな武器であり、

その「下」を担うのが北斗。

しかし、それもつい最近の2019年末からの話ですから、

単純に対応力がエグいと言えます。

 

ところが彼の対応力はこのあともさらに試され続けます。

2枚目の『NAVIGATOR』での北斗は、

まず出だしからオクターブ下

Hey you! に続くサビ前もぴったりオクターブ下できょもにくっつき、

サビに至ってもオクターブ下

たしかこの曲のオクターブ下には

髙地も参加していたと記憶しています(髙地もすごい)が、

とくに低音がグワッとくる「NO LIMIT 無限大」の部分はがっつり北斗の声だし、

ラップパートの合間に入るきょもほくのオクターブユニゾンとかもう

はい大優勝ですおめでとうありがとう。

 

そろそろ「オクターブ」がゲシュタルト崩壊してきましたが

3枚目『NEW ERA』に話を進めます。

まず出だしの「あーいーあーいー」のところから

オクターブ下に居る北斗。

でもこの曲ではオクターブ下だけの男ではありません。

表題曲としては初となるソロパートもありますし、

サビ前ではオクターブじゃない下ハモにも挑戦。

サビに関してはもうどこを誰が歌ってるのかわかんないけど、

主メロに対し上ハモ下ハモがずーっとくっついてる三層構造

特にこの下ハモはなんでかわからん(わからん)がクソ難。

そして極め付けは、ジェシーの落ちサビから髙地→慎太郎とソロで繋いで、

一番美味しいところで北斗のソロ!

髙地→慎太郎の部分は音程が上向きでテンションもどんどん上がるのに、

北斗ソロでは敢えてぐっと音を低くして、またすぐ上がって、これもかなり難しい。

しかもソロ後には全ての音がピタッと止まって、ギターソロ、からのラスサビ。

はいかっこいい大優勝おめでとうありがとう。

 

さらにさらに、アルバム『1ST』とかいう最高傑作においては、

『ってあなた』であの京本大我とがっぷり四つで、

3回あるサビが全部ハモリのパターンが違うというド変態構成。

特にラスサビでは途中で上下が入れ替わるという荒技まで披露します。

『Mad Love』では「女性っぽさを意識」して歌っていると本人も言っていましたが、

ここはさすがの表現力、というか、演技力、というか、

なんちゅう声を出すんや松村……!

 

だいぶ長くなってる自覚はあるけど『僕が僕じゃないみたいだ』の話もします。

この曲ではまたも歌い出しを任されますが、

いきなりサビのメロディで、しかも得意の低音域ではなく、

ファルセットまで駆使しなければならないという鬼設定

さらには落ちサビのソロも北斗だし、しかも長い。

最後にはきょもの主メロに上ハモを被せるというびっくり構成。

 

こうも楽譜の上から下まで行き来できるアイドル、そうそういませんて多分。

サッカーで言うとサイドバックみたいな、

桁違いの運動量で守備も攻撃もどっちにも参加しますよみたいな。

歌に関してはSixTONESみんな難しいことを軽々やってるんだけど、

中でもこの人の守備範囲の広さ、オールマイティさが

楽曲に厚みを与えているのは最早疑いようもないのですよ。

これからもきっと彼には難しいパートが回ってくることでしょう。

どんな進化を遂げるか、楽しみでしかたありません。

もう「歌における居場所がない」なんて言わせねぇぞ(威圧)

 

難しい「役」

あんまり必要ない情報かもしれないのですが、一応念のため小文字で明かしておくと、

筆者には演劇の経験があります。

いつどこでどの程度やっていたかを明かすと身バレの危険があるので隠しますが、

役者から始めて、演出も経験して、最終的には脚本を書くのがメインになってました。

全て舞台で、映像作品はやる機会がないまま、足を洗いました。

そんな人間が書いた戯言が続くんだなぁって、ぼんやり理解していただけると幸いです。

 

筆者が知っている北斗の芝居は、デビュー以降の作品と、

あと『パーフェクトワールド』と『坂道のアポロン』はAmazon primeで見ました。

坂道〜』は出番が少なかったのでなんとも言えませんが、

それ以外の作品を見てきた感想としては、

「いい役者だな!」

と思っています。

多分オタクの贔屓目とかではなく。

 

芝居の上手い・下手の評価基準なんてものは存在しないので、

好みの問題といえばそれまでですが、

それだと書くことなくなっちゃう。

とりあえず1作品ずつ簡単な感想を書いていきますかね。

 

パーフェクトワールド

見る前から「難役を好演!」という評価は耳にしていましたが、

実際見てみても「まさにその通りだな」って思いました。

 

10の秘密

こちらも「謎多き青年」で、かつ「母親を殺されている」というなかなかの「難役

加えて、主演俳優とばちばちにバトルする場面があるという難しさもありました。

あとピアノも弾かなきゃだったし、かなり挑戦の多い役だったのかなという印象。

でもちょっと「うーん」と思うところがあったので、それはのちほど。

 

一億円のさようなら

これは二人一役っていう設定がまず難しい。

しかも同じ役をやる相手は、経験豊富で、いい意味で派手さのない名優。

トレースするのは難しいだろうし、元の顔もそんな似てるわけじゃないのに、

回を追うごとにどんどん同じ人に見えてきて、素晴らしかった。

妻役の女優さんも凄まじかったので、引っ張られた部分もあったんだろうけど、

いやぁ、良いものを見させていただきました。

 

ライアー×ライアー

ジャニーズが普通なら得意とするはずのイケメン役なのに、

本人が難しがってたのが逆に面白い。難しがるなよ。

「ジャニーズ主演の少女漫画実写化映画」というものを初めて見たけど、

主演の二人も脇を固める役者陣も隙のない上手さで、

思っていた600倍は楽しめました。

雑誌の表紙ラッシュもすごかったね。

 

レッドアイズ

松村=ワンコっていうファン内のイメージにとうとう制作側が寄ってきちゃった。

最終回近辺の緊迫した展開のキーとなる人物で、

裏切ったと思ったら実は裏切ってないとか、難しさもある役だったはずだけど、

最早簡単にやってるように見えちゃった。

 

女王の法医学

ついに本当に「ワンコ」に。

こちらも軽々演じていた印象。

シリーズ化の気配をムンムン感じたんだぜ。

 

カムカムエヴリバディ

まだ見てないけど、設定を読んだだけで白米6杯いける。

ただちょっと心配になるくらいイケメン要素が盛り盛り。

名家の跡取りで? 英語が堪能で? 好青年で? 顔が良い?(最後のは書いてない)

ハードルガン上げも良いところだよ。

本当に心配だ……視聴者の命が。

 

さて、ここまでで何回「難」って字を書いたでしょうか。

難しい役が多いというのは、それだけ期待されている証拠でもあります。

ただこの「難役を好演!」的な評価っていうのは、

若くてまだ名が知れ渡っていない俳優さんがステップアップしていくためには

必要な評価ですけど、そこにずっと縋っていてはダメと言いますか。

 

ちょっと意地悪な話になりますが、

「多くの人が経験していないことを経験した人物の役=難しい役を工夫して演じる」

ことは、もちろん立派な成果として認められるべきである一方、

実は演じる側だけじゃなく、見る側だってその経験はしたことがないんだから、

正解は誰にもわからないわけです。

その点、

「どこにでもいそうな普通の人物を、誰もが納得できる説得力を持って演じる」

ことの方が、長くキャリアを積んでいく上では

大事になってくるんじゃないかなぁ。というのが筆者の持論。

 

最近の松村北斗の仕事を見るに、

女王の法医学』は『パフェワ』以降の作品の中では

群を抜いて「普通」の青年の役でした。

また、これもまだ見てないし原作も未読だけど、

きのう何食べた?で演じる美容師も、

ちょっと変わってはいるけれど「普通」の範疇に入る人っぽい。

 

そういった「普通」の役と、いわゆる「難しい」とされる役と、

「イケメンハードルガン上げ」な役の仕事が、

どれもバランス良く来るというのは、

本当に評価が高い証なんだろうなって思います。

 

そんなこんなで既に実力が認められちゃってるわけですから、

筆者の分際で彼の演技に関してとやかく言うつもりはないのですが、

ただ一つ願うことがあるとすれば、それは

セリフに恵まれてくれ!!

ということのみです。

 

先ほど「うーん」となっていた件。

あの「うーん」は、北斗の芝居に対する「うーん」というよりは、

セリフに対する「うーん」だったんです。

以下愚痴。

 

母親を殺したかもしれない男と対峙し、激昂し、襲う、という激しめの場面。

セリフも多けりゃ動きも多い、相手役に怪我させちゃいけない、

感情をフルオープンにし、尚且つその移り変わりも表現しなきゃならない

などなど、難しい条件はたくさん揃っていました。

おそらくしっかり準備もしただろうし、

主演俳優の胸を借りる上でのコミュニケーションも取っただろうし、

結果的にはあの作品における彼のハイライトとも呼べる

重要なシーンとなっていました。 

 

しかし、厳しめのことを言うと、

なんだか微妙にセリフが入ってこなかったんですよね。

なにを言っているかはわかるんだけど、

言葉と気持ちがぴったり合わさってないと言うか、

受け取る側の脳に入ってくる前に分離してしまうような、そんな感覚です。

 

セリフが入ってこない。感情が乗ってない。

芝居を見ていてそう感じる時、

視聴者は「この役者下手だな」って判断をしてしまいがちです。

で、その判断はまあ大体8割くらいは正しいんですけど、

残りの2割くらい、

「これはセリフのせいじゃないかな?」って思うことがあります。

 

例えばそれは、

「時代設定とマッチしない不自然なセリフ」であったり、

「視聴者を置き去りにする突飛すぎるセリフ」であったり、

「単純に発音の難易度が高すぎるセリフ」だったりします。

筆者が「うーん」となった場面は、この

発音の難易度が高すぎるセリフ」でした。

 

興奮して、声を荒げた状態で、翼くんは何度も「母」と言いました。

そのワードが出てくるたびに、筆者は「うーん」となってしまいました。

 

「ハ行」って、実はすごく発音が難しんですよね。

試しに背筋をピンと伸ばし、なるべく元気な声で

「あ!は!あ!は!い!ひ!い!ひ!う!ふ!……」と、

ア行とハ行を交互に発声してみてください。

ハ行の発音はア行に比べ、息をたくさん吐かなくちゃいけないというのが

体感できると思います。

また、ハ行は舌も唇も上顎もどこも使わずに出す音ですから、

「はは」「ひひ」「ふふ」のように同じ音を連続で出すのも地味に大変。

きちんと発声するには腹式呼吸の習得が不可欠ですが、

舞台作品みたいに大袈裟なセリフまわしができない映像作品においては、

腹から声を出すとそれはそれで下手くそに見えてしまいます。

つまり、人体の構造上難しい「母」というワードを、

逆上しながら連呼するセリフが回ってきてしまった時点で、

北斗お得意の「不憫」な状況が出来上がってしまっていたわけです。

 

もし彼に与えられたセリフが「母」ではなく「母さん」などに置き換わっていたら、

あのシーンは松村北斗の芝居にだけ集中できる場面になっていたかもしれない。

もちろん「母」の発音が全く気にならなかったという視聴者も多いでしょう。

でも筆者のように重箱の隅を突つくタイプの人間に見つかっている可能性も低くない。

そう思うとちょっと悔しいのです。

 

これには脚本家を批判する意図は微塵もありません。

自分が書いたセリフを

自ら声に出して読んでみてから入稿するタイプの脚本家もいれば、

黙読のみで入稿する脚本家もいるだろうし、

「読みづらいな」ってわかった上で敢えてそのまま入稿する脚本家もいるだろうし、

そこは自由ですので、責めるべきではない。

それに、激昂しながらも全く違和感なく「母」を連呼できる役者もいるかもしれない。

ひたすら「北斗不憫」って話なだけです。

 

ただでさえ世間から目の敵にされがちなジャニーズ俳優なんですから、

せめてセリフ運には恵まれていてほしい。

これは筆者の親心にも近いオタク心の発露でございました。

 

本人の感受性と向上心の強さはわざわざ言うまでもないですから、

これからも作品とセリフに恵まれれば、

ジャニーズ俳優にトラウマがある人たちも黙らせるような名優になるに違いない。

そうなったら、

もう「俳優ヅラするなって叩かれちゃう」なんて言わせねぇぞ(威圧)

 

難しい「話」

もうここまでで9千字くらい書いてるんでいい加減終わりたいんですけど、

やっぱりラジオの松村も語っておかないと終われない気がするんで続けます。

 

リトルトゥースでもある彼のトークには

深夜ラジオというカルチャーへの造詣の深さとリスペクトが如実に現れています。

「話長い」って言われるし、実際長いんだけど、

オードリーANNを聴き慣れてる人からすればそんな長くない。

ただまあ、アイドルがするフリートークの尺ではないし、

時に作家さんと話し合いながらきちんと構成ブッこいてるのも確実に異端。

 

ほくじゅり回って結構不思議で、毎回ちょっとずつテイストが違うというか、

わざと変えてきてるのかな? って深読みしてしまう節がいくつもあります。

 

思えば、番組開始当初から果敢に下ネタをぶっこんできたのもこのコンビだし、

頻繁に企画を薙ぎ倒すようになったのも、

リスナーと喧嘩腰(平和)になったのも、この二人きっかけな気がしなくもない。

これはリスナーに対する

「いわゆるアイドルラジオじゃなく、ちゃんとANNをやります」

という決意表明にもなった部分だと思うので、彼らの功績は大きい。

 

最初の頃はグループ唯一のタメ同士、

攻守が頻繁に切り替わる同級生ラジオの趣でしたが、

松村の「いじられたがり」が露見するにつれ、

最近ではほぼ一方的に田中優位になってるのも面白いところ。

そうして田中のペースで進むのは松村回だけかと思いきや、

直近では森本回ですら田中が大暴れし、あの森本がツッコミをする羽目になるなど、

2年目に入ってからも多彩なバリエーションを見せてくれています。

 

個性強めのメンバーがランダムで出演するというだけでも

週替わり定食みたいなラジオだというのに、

今やもうメンバーごとに違う番組なんじゃないか、

違う店で全然違う料理を食わされているんじゃないかと思うほどになっていますが、

そうやってメニューの幅を広げてきたのは、

松村の舵取りによる部分も大きいんじゃないかと筆者は考えています。

 

「いつものノリ」で90分お届けするだけでも充分面白いはずだけど、

松村もSixTONESも、どんどん未踏のゾーンを開拓していこうとします。

それってやっぱり難しくて、

ときにはインセプションラジオになっちゃうときもあるでしょう。

でもメンバーの中で最も「深夜ラジオのリスナー」と近い感覚を持つ彼が、

これからも果敢に攻めていってくれることを、

リトルストーンとして期待せずにはいられません。

今後ともどうぞ程よくパチこき続けてください。

 

ワンコ→一匹狼→ワンコ

メンバーで唯一、ジャニーズに憧れて履歴書を送った男・松村北斗

オーディションの翌日に出演したと言われている少クラでは

本当に子犬のようでした。

 

そんな彼も、思春期にいろいろな経験をし、

一時期は群れから逸れた狼のような存在に。

友達は厳選し、一人でいる時間を好む性質にはきっと偽りはなく、

「その方が楽」という気持ちは個人的にはすごくよくわかります。

でも彼には本当は人懐っこかったり、

かまってちゃんだったりする側面もあるから、

一匹狼になりたくてなった部分と、なりたくなかったけどなっちゃった部分、

両方が絶妙に入り混じって、苦しいときもあったんじゃないかとも推測します。

だって、楽屋でイヤホンをして音楽を聴いているふりをして、

実はスト5が騒いでいるのを聴いていたっていうエピソードもあるくらいですから、

なんてもどかしいんでしょう。

 

冒頭にも書いたように、彼がみんなに完全に心を開くようになったのは

YouTubeが楽しくなってきてからなのかもしれませんが、

いじられたり、「不憫キャラ」と呼ばれたりするようになってから

やっと笑顔が弾けるようになっただなんて、

ドMかよ本当に「難しいやつだな!」って思います。

 

もし彼がもっと「簡単」な人間で、

結成時に抱えたモヤモヤも全部飲み込んで、隠して、

仲が良いフリ、楽しいフリができる人だったら、

SixTONESは今みたいに仲良くなってなかったかもしれない。

対北斗のみならず、何通りもあるコンビ・1人対5人の関係性、

その全てにおいて、彼らには嘘がありません。

親しい中にも礼儀はありつつ、常に本音でぶつかり合える良好な関係。

これってただ付き合いが長いだけじゃ作れないと思うんですよね。

 

簡単には攻略できない松村北斗という男と、

少しずつ、お互いのことを知り合いながら、気遣い合いながら、

距離を詰めていった歴史が彼らにはあって、

きっと北斗に向けられた優しさは、他のメンバーにも、

そして北斗からも向けられていて、

そうやって時間をかけて大切に育んできた絆は、

簡単には壊れないぞという絶対的な自信が、

今の最強の6人にはあるのでしょう。

 

今やただのSixTONES大好きワンコでしかない松村北斗

これからも、簡単な男には成り下がらずにいてくれよな。

 

あらためまして。

松村北斗さん。

お誕生日おめでとうございます。

大好きです。

あなたとあなたの大切な人の未来に、幸多からんことを。

”捧”の人

どうも、お久しぶりです。

具体的に言うと、10ヶ月ぶりです。

これだけサボるとブログの書き方忘れますね。

なんならパスワードも忘れかけててログインも危なかったです。

「どうせもうわたしのことなんてどうでもいいんでしょ?」って睨みつけてくる

はてなブログちゃんの圧もすごかったです。

彼女とはまだちょっと気まずくて目を合わせられていませんが、

何事もなかったかのように更新を再開したいと思います。

 

今回のブログはずばり

なあ田中、誕生日おめでとう!! です。

 

「じゅり」との出会い

初めて彼のことを認識したのは『Rの法則』のときでしたので、

そのあたりの話はジェシーの記事で詳細を書いてしまいましたね。

ma2boxxxxxx.hatenablog.com

とにかく彼の第一印象は

ジャニースなのに「爆モテ」を名乗ってもええんかい!

という驚きでした。

勝手なイメージとして、ジャニーズって

絶対モテるくせにモテるって言わないマンの集まり

あるいは

ファンのためにモテを封印した献身的な青年たちの集まり

という想定があったので、

見るからにモテそうなDKが地上波で包み隠さずモテを公言している様

とても潔く見えて、すこぶる好印象でした。

加えて、よく喋るし機転も効くし。

爆モテとは言いつつ、業界の大人と野郎どもにモテそうだなって思ったのが正直なところ。

 

確かこの番組では出演者がネームプレートを付けていたと思うんですが、

彼の胸には「じゅり」(カタカナだったかもしれない)と書かれていたので、

まさかそれが漢字だと「樹」になるとは予想だにしませんでした。

 

ですので数年後、初めてSixTONES(当時Jr.)を見たMステにおいて、

テロップ表記の「田中樹」の字が読めず

なんて名前だったっけこの爆モテDK!?

ってなったことを鮮明に覚えています。

いつき? たつき? いや、そんな硬そう(?)な名前じゃなかったような……?

今思えば、筆者が初めてSixTONESについて積極的にググったのは、

「田中樹・初見で読めない問題」を解決するためでした。

そしてそこからSixTONESと田中樹にズドンするまではあっという間でした。

 

さて。

当ブログでは、メンバーの誕生日に託けた長文を書く際に、

毎回漢字一文字を決めて、それを軸にぶつくさ言うんですけど、

毎回これが難しくて、今回もやっぱり難しく、

「喋」「言」「信」「政」「策」「謀」「嘘」……と、

徐々に雲行きが怪しくなってしまう始末。

そんなこんなで10ヶ月経ってしまいましたが、満を辞して、

田中樹は”捧”の人である

という話をしたいと思います。

 

ラップに捧げる

彼を語る上で避けては通れないもの、それがラップ。

ところが筆者、ラップにもヒップホップにもてんで知識がございませんで。

だからここで語るのは技術的なことではなく、なんかこう

「佇まい」的な? 「ムード」的な?

とにかくフワッフワしたことしか言いませんので、

フワッフワしながら読んでください。

 

初めて見たSixTONESのパフォーマンスは、

先ほども出たMステの『JAPONICA STYLE』でしたので、

この時点で筆者は、彼がラッパーだとは知りません。

そりゃそうだ。

ラップないもん。

 

しかし、ラップのないこの曲にも、

彼がラップに人生を捧げた男だということがわかるヒントがあったのです。


www.youtube.com

このMVも、見始めたばかりの頃はまず誰が誰だか見分けがつかなかったんですが、

そのうち

気怠げダンスで眉間に皺寄せてるのが田中樹

と判別できるようになります。

2021年現在は、もっともっと「気怠げかつ危険」な彼を知ってしまっているので、

「この頃はまだ若いな」「めっちゃ頑張って踊ってるな」とか思っちゃうんですが、

当時は他の5人と比べて、

ずいぶん力の抜けたダンスをする子だな

と思いました。

でも決して「やる気なさそう」という印象にはならない。

なぜならその脱力っぷりが彼にとても似合っていたから。

 

のちに彼がラップ担当だと知り、なるほどねーと納得しました。

これは自分だけの勝手なイメージかもしれませんが、

ラッパーがしゃかりきに踊ってたらカッコ悪くないですか?

ぴしっ! ぱきっ! ぴしっ! ってダンスよりも、

だら〜ん ぐっ! だら〜ん(重心低め)みたいなほうが

ラッパーのダンスとしては正解な気がしませんか。

そもそも「踊るラッパー」というものをあまり拝見したことがないので

すべては憶測に過ぎませんし、

「曲によるんじゃね?」って言われたらぐうの音も出ませんが……。

 

SixTONESというグループ全体として

一生懸命さを売りにしない」みたいなところがあると思いますが、

特に田中樹は「ラッパー」というポジションに説得力を持たせるため、

たとえラップのない曲のパフォーマンスであっても

あえて「ラッパーの佇まい」を持ち込んでいるような気がしています。

もちろんそれは「しゃかりき可愛いダンス(?)」ができないからではありません。

だって「ジョアダンス」では立派にピコピコ踊ってましたから(言い方)。

 

ラップはおろかダンスもない『僕が僕じゃないみたいだ』のような曲ですら、

立っているだけ、ほんの少し手を動かしただけで

「ラッパーの佇まい」が滲み出してしまう男。

それほどにラップに身を捧げている男。

それが田中樹なんだと思います。

 

彼はSixTONESでのライブパフォーマンスにおいて、

自分は喜怒哀楽の「怒」を担おうと思っている

みたいなことを度々発言しています。

自分が知る限り、自ら策略的に「怒」を担おうとするアイドルって聞いたことないので

聞いた時は普通に「すげぇこと言い出したな」とびっくりしてしまいましたが、

ヒップホップという文化が持つアウトローなイメージを継承しながら

ライブを主戦場とするアイドルグループ=SixTONESの唯一無二な骨格を築こう

という強い覚悟を感じる発言でもありました。

 

しかし覚悟だけあっても、実力が伴わないのでは話にならないというのは言わずもがな。 

パフォーマンス中の目だけで何人か殺せそうな眼光の鋭さ。

無駄を削ぎ落とした痩身。

本人も「年々ザラザラになってる」と言っていた魅惑的な声。

そして肝心のラップスキル。

おそらくこのどれが欠けても、

彼が理想とする、そして世間が納得する

SixTONESが誇る本格派ラッパー」としての田中樹像には到達できない。

入所した頃には普通にアイドルっぽい歌が歌いたくて、

無理矢理押し付けられたラップを嫌々やっていた少年が、

いつの頃からか尋常じゃない覚悟を持って

ラップとSixTONESに身を捧げるようになった。

改めて考えると、それってまったく当然のことではないし、

「好き」だけを原動力に成し遂げられることでもないわけで。

 

よく彼について「ジャニーズにこんなすごいラッパーがいるとは思わなかった」

と評する人がいるし、かくいう筆者もそう考えていた一人なのですが、

むしろジャニーズという超競争社会の荒波に揉まれなかったら

彼ほどのラップ・モンスターは生まれなかったんじゃなかろうか

と最近は思っています。

 

そんな彼の覚悟と努力とスキルが、本格的に評価されて花開いたのは、

やはりデビュー以降なんじゃないでしょうか。

もちろんJr.の頃から彼のラップが楽曲の軸にあったことは変わりませんが、

誰よりも楽しそうにソニーのスタッフのエピソードを話す彼を見ていると

「良かったねぇ! 良かったねぇ!」と赤飯炊かずにはいられません。(炊けないけど)

 

Imitation Rain』のラップパートについて、

「俺がひとりで考えたら100年かけても出てこないラップ(意訳)」

と語っていたように、

デビュー曲との出会い自体が彼に与えた影響は多大なものだったようです。

 

全体的にシリアスな『Imitation Rain』の世界観の中で

最もしんどい歌詞が割り振られているのがラップパートだというのも、

彼の経歴を知るファン心にぐさぐさ刺さります。

YOSHIKI氏がどこまで意図して歌割りをしたのかは不明ですが、

モスト・オブ・しんどいなラップセクションを経て、最終的には

「強い決意で夢に向かって進んでいこう」という歌になっていく構図は

ものすごく田中樹だし、

ものすごくSixTONESだなって感じがします。(語彙力の死)

 

続く『NAVIGATOR』でフロウを任されるまでになった彼は、

さらに「34局ラップチャレンジ」にてこれまでに培ってきた技能と

持ち前の気遣いを遺憾なく発揮。

3rdシングルのカップリング『So Addicted』においてはついに

リリックを任されるに至りました。

ソニーと組んだ田中」は「水を得た魚」とほぼ同義。

 

SixTONESの音楽が徐々に世間から認められ始めると、

同僚はあんまり載らない音楽雑誌だとか、

同僚はあんまり出ないJ-WAVEだとかに呼ばれるようになりましたが、

そこで田中樹が見せる豊富な知識と明確な楽曲分析は、

その道のプロをも唸らせるレベル。

だからこそSixTONESは音楽で勝負したい」という

聞く人が聞けばめちゃめちゃ大胆に聞こえてしまいかねない宣言にも

説得力が生まれるわけです。

 

本当に、田中樹がSixTONESでいてくれて良かったです。

 

言葉を捧げる

こんな辺境ブログに辿り着くほどのマニアであれば、

当然皆さん「田中樹は本当はボケたがりである」ということはご存知でしょう。

さっきまで「ラップのない曲でもラッパーの佇まい」うんぬん、

「ヒップホップが持つアウトローなイメージを」うんぬんと言ってましたが、

ここからはほぼ真逆の世界と言っても過言ではない

「田中樹とSixTONESの楽しいおしゃべり」について話します。

 

田中樹という男は、本当によくツッコミます。

最近の若い芸人さんってあんまりビシッとはつっこまない芸風の人も増えていますから、

下手すると芸人よりつっこんでるなぁってときがあるくらいです。

 

そうなった要因は他ならぬあのボケ5人衆の存在で、

YouTubeだってラジオだって、樹がいないと成り立たんわけです。

もちろん5人だって、樹がいない現場だとそこそこちゃんとするわけですが、

6人そろえば絶対にカオス。

視聴者だってそれが見たいわけですから、

必然的に「がんばれ田中樹!」となってしまうのです。

 

しかし当人はと言うと、グループのツッコミ役であることを

「楽な仕事」と言ってのけます。

「みんなが心の中で思ってることを声に出してるだけ」なんてことまで言います。

いやいやいや。

そんなわけあるかい。

たしかに、結果的には彼のツッコミと視聴者の心の声は一致しているかもしれない。

でもね、

あなたに有る瞬発力が我々には無いのですよ

と言いたい。

 

しかも彼はただ来たボケを順番に捌いているだけじゃなく、

ちゃんと「番組」という「枠」に収まるよう、調整し、導いていくスキルがあります。

職種がアイドルであれ芸人であれタレントであれ、

彼と同等の年齢・キャリアでここまでできる人ってなかなか見当たりませんよ。

これに関しちゃファンの贔屓目とか置いといて手放しで褒めたい。

 

彼に限らずSixTONESみんなそうなんですけど、

たったひとりでバラエティのスタジオやロケに放り込まれても、

きちんとコーナーを成立させられるスキルが6人にはあります。

具体的に言うと、

「取れ高を考慮した言動が取れる」

「他人の助けを借りずにオチまで話を持っていける」

「共演者の話に乗っかることができる」

「たとえ相手が素人でもちゃんと絡める」

などなど挙げ出すとキリがないのですが、

これだけできれば言うまでもなくバラエティの即戦力です。

デビュー年から即戦力。

業界にとっちゃ金の卵ですよ。

 

彼らが金の卵となり得た原因は、そう、皆さんお察し、

YouTubeで荒稼ぎした経験値(言い方)によるものです。

そしてそのストチューブにおいて要の役割を果たしているのが田中樹。

「MCをやりたい」という意識が人一倍高い彼が、早い段階で

「自分たちだけで成立させなければならないチャンネル(番組)」を持てた。

これほどの幸運はなかなかないんじゃないでしょうか。

 

即戦力若手有望MCである田中樹を育てたのがYouTubeなら、

彼をいち早く発掘し、抜擢したのはニッポン放送です。

木曜1部のANNの代打をジャニーズJr.にやらせるって、

「頭おかしくなったんかニッポン放送って言われてもしかたがない、

まさしく大博打だったと思います。

でもニッポン放送には勝算があった。

その期待にSixTONESは応えた。

そしてデビューするなりサタデースペシャル枠のレギュラーとなった。

いやいやいやなんだよこれ少年漫画かよ。

 

しかし番組が開始するや否や、緊急事態宣言が発令され、

収録はリモートになってしまいます。

いきなりの試練が早いしデカイ。

少年漫画かよ。

 

あの時期、他の番組は感染対策をしながら普通にスタジオからお届けしていましたから、

よっぽど事務所のガイドラインが厳しかったんだろうなって思いますが、

田中が京本家のWi-Fiにも打ち勝ち、「リモートゴッド」へと覚醒してくれなかったら、

聴取率はダダ下りで、評価は地に墜ち、

1年で番組終了の憂き目に遭っていてもおかしくありませんでした。

リトルストーンにとっては本当に神様仏様田中様ですよ。

部屋余らせるのがかっこいいと思ってるのはダサいけどな。

 

テレビでは「見た目チャラいがコメントが的確で気のいい若い兄ちゃん」ポジを確立。

毎週土曜深夜にはANNをぶん回し、週替わりのメンバーの個性を生かし、

時にリスナーと殴り合い、時に痛烈にいじられる。

我々がよく知るトークSixTONESを引っ張る田中樹」というのは、

この章の最初でも言及した通り、

喜怒哀楽の「怒」を担う「ラッパーとしてのあり方」とはほぼ真逆なはずです。

もちろんラッパーでありながらバラエティ番組をぶん回す立場でもある

いとうせいこう氏みたいな人もいるにはいるけど、あまりにも畑が違う。

田中樹はあくまでアイドルなんです。

 

ジャニーズ事務所所属のアイドルでラップもやる。

それもかなり「強め」かつ「最先端」のラップができる。

そんな強個性な彼には

パフォーマンス時のイメージを極力維持して各メディアに出るという選択肢

もあったはずです。

「ギラギラしたオーラで近寄りがたい、孤高の天才キャラ」

それはそれでめちゃめちゃかっこいいアイドル像が完成していたと思います。

でも彼は、その道を選ばなかった。

 

楽しいこと大好きな彼の性質が、より楽しい方へと舵を切った。

と言ってしまえばそうでしょう。

あるいは、多感な時期にいろいろあった(察して)ことも関係するかもしれません。

でもやっぱり彼の場合、

SixTONESのために自分がなにをすべきかを突き詰めたら今のポジションになった

というのが最適解な気がします。

 

一見怖そうで、尚且つバラバラな大男たち=SixTONESは、

それこそ「ギラギラしたオーラで近寄りがたい」と思われやすいし、

ありとあらゆる誤解もされやすいグループです。

でも、本当はみんなめちゃめちゃ真面目だし、

それぞれの得意分野にかける想いも強い。

なにをやるにもいつだって真剣だし、まとまるときはちゃんとまとまる。

そんなSixTONESらしさ」をしっかり俯瞰で見た上で、

「本当のSixTONESの姿」を世に知らしめるために言葉を尽くす。

それがSixTONESを愛する男・田中樹が辿り着いた「生き様」なのでしょう。

 

「個人種目の金メダリストが6人集まったようなグループでいたい」

SixTONESが目指すところを伝えるにあたり、

この田中樹の発言ほど的確な表現はあるだろうか。いや、ない。

どんなにビジュアルやパフォーマンスがかっこよかろうが、

みんなが本当に知りたい部分=信じたい部分である「人柄」や「思想」は、

結局その人たちの発言からしか伝わりません。

当然メンバー全員がそれを理解し、

いつだって言葉を尽くしてくれているというのは言わずもがなですが、

中でもより多くのウエイトを担い、

日々SixTONESのために言葉を捧げ、言葉で戦っているのは田中樹である。

そのことに異論のある人は、ほとんどいないのではないでしょうか。

 

 

ファンに捧げる

SixTONESのメンバーときたら、まるで口癖のように

「ファンのみんなのおかげで」と言います。

その中でも、

「『ファンのみんなのおかげで』選手権年間チャンピオン決定戦」を開催したら、

優勝の本命は田中樹かと思われます。

さらにこの男のすごいところは、

ファンを想う発言が口先だけで終わらないところです。

 

今やオタクの日々の糧となっている個人ブログ。

開設のために奔走してくれたのが、他ならぬ田中樹でした。

それ以外にも、

YouTubeの企画会議やらなんやらの「大人との交渉」は専ら彼の担当で、

そうした目には見えない努力のおかげでファンは今日も生かされている。

目に見えない部分は言ってくれないと感謝もできないんだから

もっと言って欲しい(切実)

 

また、悩めるファンに向かって投げかけられた

SixTONESを都合よく使って」という発言。

これにより多くのファン、

あるいはファンじゃなくてもたまたまこの言葉を耳にした悩める子羊は

大いに救われたとこでしょう。

筆者は悩みのない能天気人間なので救われこそしませんでしたが、

それ以上の衝撃を受け、頭を抱えたこともありました。

 

今までアイドルというものにハマったことがなかった筆者は、

アイドルとファンの関係性についても非常に懐疑的で、

思い切って極端なことを言うと、

「アイドルはファンにジャブジャブ金を使わせ、

ファンはアイドルの人権を無視してひたすら夢を見る」

こんなイメージすら抱いていた節があります。

そこへ現れた

自分を「都合よく使って」と言い切る優しく聡明なアイドル。

まさに目から鱗がズドンズドン落ちました。

 

「関わる人全てがSixTONESという理念にもあるように、

SixTONESと関係者とファンは一心同体。

常に持ちつ持たれつ。

エブリデイ・ギブ&テイク。

決して「搾取したりされたり」の関係ではない。

それこそが、

長年事務所にいて清濁交々を見聞きしてきたであろうSixTONESが目指す

彼らなりの新しいアイドル像であり、

それを具体的な言葉と行動で伝え導くのが

田中樹という新しいスタイルのアイドルなのでしょう。

 

結成6周年スペシャル月間に唐突に投下され、瞬く間に界隈を浄化したと言われる

Lifetime』のMV。

このMVではカットされてしまっている2番に、筆者の大好きな「音」があります。

それはAメロの樹のソロ(2Aの田中)で流れてくる「ギギギギギギ」という音です。

 

この曲の1番は、

音も声も少ないのに無限に広がっていく感じがして壮大であるが故に

ともすれば宇宙に放り出されたような心許なさがあって

少しの寂しさや不安も感じてしまいます。

ところが2番に入ると、「ギギギ」という

まるで波に揺られた船が軋むような音が聞こえてきて、

情景が一気に変わります。

 

ああ、そうか。自分がいるのは宇宙じゃない。

これは船旅なんだ。

SixTONESとteam SixTONESで大きな船に乗り、

ときに軋む音を立てながら波を乗り越え、

「どこか」を目指して大海原を進んでいる、

そんな歌なんだ。

 

そう気付いた時には音数も増え、声も重なり合い、

序盤で感じた不安はどこかへ消えてしまいます。

 

これから先ずっと続くteam SixTONESの船旅において、

「きみはひとりじゃない。みんないるから怖くない」

と教えてくれるきっかけの「ギギギ」が、

他ならぬ田中樹のソロパートと重なっている

この歌割りには単に「2Aはだいたい田中におまかせ」という以上の、

深い意味と期待を感じずにはいられません。

 

歌割りの決定権がソニーにあったのかSixTONESにあったのかは定かではないですが、

「この船の舵取り役は田中樹」という認識が

作り手と聴き手の双方で共有できている状況にあるのだとしたら、

口先だけの「team」ではない感じがして、とても素敵だと思いませんか。

 

これからの田中樹

ANNが2年目に突入して以降、

リトルストーン(ここでは元々SixTONESのファンではなかったリスナーの意)の間で

SixTONESは6人全員イカれてる」

というヤバめの噂がまことしやかに囁かれているようです。

発端は、これまでツッコミ役に徹していたはずの田中までもが

ゾンビやら部屋余らせやら、おかしなことを言い出したからに他なりません。

 

田中が本来ボケたがりであることを知るファンにとっては、

「あーあ、とうとう我慢できなくなったかぁ」って感じですが、

彼が我慢をしていた「1年」をどう感じるかは評価が分かれるでしょう。

 

田中がボケるようになるまで「1年も」かかった

と見るか、

「たった1年」で、進行役がボケを連発しても受け入れられる番組に育て上げた

と見るか。

 

今のところ筆者は後者寄りの考えですが、

この先彼が日本を代表するマルチタレントへと急成長を遂げていく中で、

「あの頃は1年もかかったね」と思い返す日が来るかもしれません。

 

また、アーティストとしては、

筆者くらいの人間がどうこう語れるレベルじゃないエグい成長を見せてくれるはず。

 

そしてきっと、どんなに大きくなったとしても、

己のスキルと優しさをteamに惜しみなく捧げる男であり続けてくれるでしょう。

こちらとしても、捧げられた分は捧げ返すようなオタクでいたいものです。

 

あらためまして。

田中樹さん。

お誕生日おめでとうございます。

大好きです。

あなたとあなたの大切な人の未来に、幸多からんことを。

”和”の人

どうも、お誕生日ブログ遅刻常習芸人でーす。

 

こんな辺境ブログでも読んでくださっている方は大勢いるらしく、

特に、誕生日にかこつけてメンバー個人にスポットを当てた長ったらしい文章は

もったいないくらいの反響をいただいたりもしております。

ありがたいような、申し訳ないような……。

 

これまでにきょもと髙地について語った回があったわけですが、

今読み返してみるとなんかこう……

祝ってる感が薄い。

気持ちはめちゃめちゃ祝ってるんですけどね、

アウトプットが理屈っぽいあまり

最早論文の類なんじゃねーかと。

 

でもこれ以外の書き方ができる気はしないので、

今回も張り切って

SixTONES大学箱推し学部必修基礎講座「ジェシー学概論」

のレポートを提出します!

 

その前にひとこと。

 

ジェシーさんお誕生日おめでとうございます!!

(精一杯の祝ってる感)(字をデカくすりゃ良いってもんじゃない)

 

ハーフのクールな子with爆モテDK

もう随分と昔のことのように感じますが、

まだせいぜい7年とか、6年前くらいの話です。

筆者の家庭には

テレビのリモコンに「2」のボタンしかついてないの?

ってくらいEテレ漬けだった時代がありました。

アンパンマンの時だけ「4」のボタンが現れるけれど、

それ以外の平日午後は

いないいないばあっ!』からRの法則までノンストップ。

 

当時のEテレの構成だと、

時間が遅くなるにつれて番組の対象年齢も高くなっていき、

したがって出演者の年代も乳飲み子から園児→小学生→中学生→

そしてハイティーンがゴール。みたいな感じでした。

筆者は一向に離乳食を飲み込んでくれない倅と睨み合いながら、

「早く子育てゴールしてぇなぁ」なんて憧れも込めて

Rの法則』を視聴していたわけです。

 

その『R』のメンバーに、

口数こそ少ないものの、不思議といつも輪の中心にいるイケメンがおりました。

何を隠そう、彼こそがジェシーです。

 

今のジェシーを知っている身からすると、

率直に言って「嘘だろ?」って気持ちです。

だってマジで自分から発言なんてほとんどしてなかったもの……。

常に隣に爆モテDK(=樹)がいて、そっちの方がボケてたもの……。

なんかスイーツとか作ってたように記憶しているけど……。

英語でインタビューとかもしてた気がするけど……。

 

筆者がEテレ地獄パラダイスから卒業し、

SixTONESを発見するまでのほんの数年の間に、

ジェシーの身に何が起こったのか。

いつなにがどうズドンしてAHAHAHAHAになったのか。

「男子三日会わざれば刮目して見よ」とは言うけれど、

こんなもん刮目し過ぎて目ん玉削れてしまうわ。

 

最近のJ2は当時を振り返り

「あの頃のジェシーはシャイだった」と口を揃えていましたが、

筆者はいまだに

「番組あるいは事務所の方針でクールキャラを演じさせられていたのでは?」

という疑念を払拭できずにいます。

しかし一方、演じるにしたって、

「だったらもうちょっと堂々とやればよかったのでは?」

と思わなくもない。

 

あの頃のジェシーは、『スクール革命』初期の髙地と同様、

連れてこられた感」が強く、

しかしながら「一般人が紛れ込んでいる」ようには見えない

天性の華やかさがありました。

だからこそ、番組の中心にいるのも様になっていた。

それなのに、本人は滅法控えめで、自信なさげで。

 

今にして思えば、あれはちょうど『バカレア』が終わり、

6人がバラバラになってしまった時代と重なります。

漠然とした不安・不満の中で、

どこに足をつけたら良いのかわからず、

ふわふわしていた時期だったのかもしれません。

 

あれから数年。

離乳食を拒否し続けていた幼児も、いまじゃ生意気な小学校中学年で、

立派なスト担男児となりました。

「君が小っちゃい頃のジェシーは無口だった」と言っても

「フっ」て鼻で笑って全然信じてくれません。

まあ、説明してるこっちだって信じられないんだからしょうがないか。

 

SixTONES”の”ジェシー”になってから

筆者がジェシーを再発見したのは、

2019年3月のMステでした。

あの時の彼は確か短髪だったのかな?

『R』のときとは随分ビジュアルが違っていましたが、

すぐに「Rの法則のハーフの子だ!」と気付くことができました。

 

クールでシャイで細っそい少年時代とは打って変わって、

そこにいたのは逞しく自信満々な男前

あの回はスノストが一気に出てきたわけですから、

知らん人間にとっては

「わー、若いのがいっぱいおるなー」って感じだったんですけど、

そのいっぱいいる若いのの中でもジェシー

「俺を見ろ」という圧が群を抜いて強かった。

まあSixTONES全員圧強めでしたけど、特にジェシーはね。

だってデカいんだもの。

 

そこからさらに数ヶ月を経て、

SixTONESに対する興味関心が

いよいよYouTubeをチェックしてしまう段階にまで至った頃、

ようやく筆者は彼がAHAHAHAファニーガイであることを知りました。

そして新規が必ずぶつかる

「いや待って、Mr.ズドンってなに??」現象にも無事ぶちあたりました。

 

カオスだけどハッピーな空間。

その中心にいるのはやっぱりジェシーで、

「ああ、ここでもこの子は真ん中なんだな」

と思った覚えがあります。

そして「Mr.ズドン」という奇天烈な楽曲が

ジェシー本人による作(ではなくMr.ズドン作詞作曲)であることを知ると、

俄然評価が鰻上りになりました。

元々バンドが好きだった人間なんで、

そういうことされるとグッときちゃうんだなぁ。

 

……と、ここまでが筆者がジェシーを知るまでの話。

そろそろいい加減本題へと参りましょうか。(やっとかい)

 

歌ってよし。踊ってよし。喋ってよし。黙っててもよし。

どこから褒めりゃいいのかわからんくらい、

天から二物も三物も四物も与えられている男。

そんなジェシーを紐解くワードは

”和”なんじゃないかというお話をしたいと思います。

長くなりそうですが、気が向いたらお付き合いください。

 

平和 〜peace〜

ジェシーの「ホットドッグ好きそうな笑い声」につられずに済む人類、

あんまりいないんじゃないでしょうか。

ラジオなど音声のみの現場だと

悪魔みたいな笑い方」とも形容されがちですが、

だとしてもまあ、随分と陽気な悪魔がいたもんだ。

 

自分で言ったことに誰よりも早く笑い出し、

髙地に「平和だなお前」と言われ、


SixTONES - Kyoto Drive Vol.2

3人同時にあくびをしたのが嬉しくてはしゃぎ、

オカベさんに「本当にジェシーって平和」とテロップを出され、


SixTONES - Shizuoka Travel Vol.3

何年も身近にいる親しい人たちにこれだけ「平和」って言われるんだから、

裏も表もなく本当に「平和」な人なんだろうなと思います。

 

たとえギャグが滑っても、

ジェシー本人が笑ってるから周りも変な空気にならず笑っちゃう。

ウケたときも、

誰よりも本人が楽しそうに笑ってるから周りももっと笑っちゃう。

これってバラエティタレントとしてものすごく重宝される素質ですよね。

 

タレントとしてのみならず、ひとりの人間としても、

「自分の周りにこんな友達や同僚がいてくれたら、毎日が楽しいだろうなぁ」

と多くの人が羨ましく思うはずです。

まさに平和の象徴。

 

彼が発信する「笑顔を大切に」「ポジティブに」というストレートな言葉は、

こんなご時世だからこそ余計に

我々の胸をじんわりとあたたかくしてくれます。

しかし前述の『Rの法則』時代を知る者としては

もしかすると自分で自分を鼓舞するために言っている部分もあるのかもしれない

などということも考えてしまいがちです。

 

シャイボーイなジェシーから、

いつなにがどうズドンしてAHAHAHAHAなジェシーになったのか。

その謎は結局解けずじまいですが、

今この世界にジェシーという男がいて、

彼を知るすべての人に今日も平和を振りまいているのなら、

それでいいじゃないか。

むしろ最高じゃん! って思うのです。

 

調和 〜harmony〜

筆者はジェシーのソロ歌唱大好き芸人なので、

少クラのWorld song selectionのためだけに

受信料払えると思っていますし、

(オケの音が安っぽいのだけなんとかならんかなと思っている(余談))

初めて参戦した横アリでその圧倒的な空間掌握力を目の当たりにしてからは

ジェシーのソロダンス大好き芸人も兼任しております。

 

歌えばどこまでも深みのある声

踊れば本人以外には再現不可能な動き

そんな彼に合わせられる人材はそうそういないでしょうから、

ジャニー氏がジェシーを一貫してソロでやらせたがったと言うのも

わかる気がします。

 

それでもジェシーは6人でいることを選びました。

ダンスが揃わないでお馴染みのSixTONESで、

「なんじゃその動き!?」

ってなるダンスをのびのび自由に繰り出しています。

 

しかし、ダンスは敢えて揃えないスタンスのSixTONES

歌はバッチリ揃えてきます。

声質にも個性ありすぎな Six の TONES 

ピタリと合わさったときの多幸感ときたら。

個人的にはSixTONESくんたちが

音の「入り」だけじゃなくて「出」、

つまり伸ばしていた声を切るときのタイミングをぴったり合わせてくるのが

堪らなく好きです。

そこに注目して聞くとホント気持ちいいのよ……

 

おっと、話が逸れました。

ジェシー音楽的調和の話に戻りましょう。

 

SixTONESとしてやっていく以上、ハーモニーから逃げちゃいけない」

こう言ったのはきょもですが、

やはりSixTONESの音楽を作る上で「ハーモニー」は最大の武器です。

「声質が合わない」と悩みながらも、努力を怠らなかった京ジェ。

SixTONES初期のオリジナル曲は

この二人を核として組み立てられている印象ですが、

どちらがメインになっても気持ちが良いし、

上でも下でもハモれるし、

爽やかなのもアツいのもいけるし、

まさしくゴールデンコンビだと言えるでしょう。

 

ところがSixTONESくん、2019年になったあたりから、

急に多角的にハモリだします。

「ハモリと言えば京ジェ」という時代は瞬時に過ぎ去り、

いつどこで誰がどう声を重ねてくるかわからない、

「聴き手の耳、試されまくり期」

へと突入したわけです。

 

年単位どころか月単位で進化を続けるSixTONESのボーカルスキル。

個々の努力や有能な大人のアドバイスがあるのは大前提として、

これだけの急成長を遂げられた原因のひとつにはやはり

ジェシーときょものミラクル調和」

というがっしりした土台の存在が挙げられるのではないかと筆者は考えています。

 

ジェシーにはこう合わせる」

ジェシーならこう合わせてくれる」というデータを

まずきょもが試行錯誤しながら蓄積していき、(その逆も然り)

近くで聴いていた4人にもそれが自然と共有されていったようなイメージですね。

これは勘が鋭くて貪欲なSixTONESだからこそできる芸当な気がします。

 

さらにここで、ジェシーハーモニーへの貢献度の話もしておきましょう。

ジェシーの柔らかく深みのある声は、

集団の中にも溶け込みやすいという性質があります。

加えて、人柄なのかセンスなのか、その両方が為せる技なのか、

フェイクをやらせれば引くほど上手いのに、でしゃばった感じが一切しない

というのも彼の特徴です。

 

ジェシーほどのボーカリストが「一強」にならず、

ときに脇役に徹して楽曲の幅と深さを広げているという事実こそ

SixTONESがすっごいグループである由縁。

もちろん、ここぞという場面で任されたソロでの

ジェシーの帝王感ったらとんでもねぇって話もしなきゃなんですけど、

ちょっと主旨から逸れちゃうので各々の心のラジオで受信してください

 

さて、ここまで調和だハーモニーだと申してきましたが、

「調和」を英訳すると「balance」って単語も出てきます。

Balance:UNLIMITEDのBalance(=残高)じゃない方の、

いわゆるカタカナ語で言うところの「バランス」ってやつです。

ジェシーってば、人間関係においてのバランスの取り方もえげつねぇぞ

って話をなるべく手短にしたい(願望)。

 

バラエティ番組におけるジェシーの代表作となりつつあるのが

有吉ゼミ』のリフォーム企画です。

筆者はこのコーナーを通してジェシー

類稀なるバランス感覚を目の当たりにしています。

 

これは筆者が勝手にしてるカテゴライズなんですが、

あの番組って根底には「おじさん向け」っていうコンセプトが

あると思うんですよね。

大工仕事もそうですし、大食いや激辛のチャレンジなんかも、

「職人技を見せる」「男気を見せる」みたいな部分が

いかにもお父さん世代にウケそう。

うちの父親なんかも八王子リホームは楽しみにしてますしね。

 

しかし、テレビ局としては数字と話題も欲しいので、

イケメンタレントを投入して若い女性の層にもアピールしたい。

つまりあの番組の名物企画で準レギュラーとして起用され続ける為には、

おじさんにも若い女性にもどっちにも好かれる人でなければなりません。

 

ジェシーを見ていて個人的に「上手いなぁ!」と舌を巻いてしまうのは、

ずばり「怒られ方」です。

「びっくりさせられるのと怒られるのが苦手」と言うジェシー

あの番組では棟梁ことヒロミさんにガシガシに怒られますが、

(最近あんまり怒られないね!)

その怒られ方が絶妙なんです。

 

「実力のあるおじさん」が「まだ半人前の若者」をしごいて成長に導く

という構図は、

いかにもニッポンのおじさんたちが好みそうなシチュエーションです。

しかし一方、

「偉そうなおじさん」が「頑張ってる若者」にキツイ態度で当たる

という構図は、

現代のニッポンの若者にとっては目を逸らしたくなるシチュエーションでもあります。

つまり、怒る側も怒られる側も、

ほんのちょっと匙加減を間違えてしまえば

ジェシーくんが可哀想!!」という苦情が殺到する結果となりかねない。

 

ジェシーとヒロミさんのすごいところは、

おじさんが喜び、且つ若者もドン引きしない絶妙なラインで

みんなが理想的だと思える師弟関係を実現させている

バランス感覚・時代感覚の鋭さなんですよね。

 

ヒロミさんが楽しそうに怒っていると、

視聴者のおじさんも楽しい。

だからジェシーは自ら果敢に距離を詰め、

棟梁が気持ちよく怒れるようにしてあげる

そして、怒られても怯まず(ビビってはいるけど笑ってる)、

グングン成長する姿を見せる。

視聴者の若者は「ジェシー頑張れー!」となる。

 

「相手を気持ちよく怒らせる」なんてテクニック、

コミュ障の自分からすると逆立ちしたって思いつくもんじゃありません。

ジェシーがバラエティで重宝されるのも、

プライベートでとんでもない人脈を築いてたりするのも、

すべてこの調和の精神から来るものなんだろうと結論付け、

結局クソ長くなってしまったこの章をまとめたいと思います。

手短にって言ったの誰だ。

 

和 〜Japanese〜

「声」というものは、

言うなれば「体」という「楽器」から出る「音」のことです。

つまり、日本人離れした体格を持つジェシーからは、

当然それ相応の声が出ているわけで、

英語の発音の良さも相まって、

目を瞑って音だけ聞いていると本当に

アメリカのアーティストが歌っているみたいに聞こえることが多々あります。

 

しかしその一方で、ものすごく「日本」を感じる瞬間もあって、

それは主にビブラートの掛け方に現れてくるのですが、

ジェシー玉置浩二さんなどの80年台のJ-POPをこよなく愛する男だと知った時に

筆者が言い放った「なるほどね!!」のデカさは異常でした。

 

ビジュアル・言語・文化のみならず、

歌声も日米の良いとこ取りをしているジェシーは、

まさしくJ-POPを背負って世界へ羽ばたく人材としてふさわしいわけですが、

ここで「そもそもJ-POPってなに?」って疑問にぶち当たっちゃうんですよ。

 

欧米のポップミュージックや最近流行りのK-POPなんかと比べて、

日本のソレってどういう特徴があるんだい?

って話になったときに、結構よく耳にするのが

J-POPには情緒がある」っていう評価です。

情緒。そうか、なるほど情緒ね。

……えーっと……”ジョウチョ”ッテナンデスカ?

生粋の日本人なんですけど、思わず片言になってしまいます。

 

これは筆者なりに噛み砕いた「情緒論」なのであんまり信じないで欲しいし、

POPだけじゃなくROCKやその他のジャンルにも通じることなのかもしれませんが、

日本の音楽には「一辺倒にならない」って側面があるような気がしています。

 

みんな大好きJAPONICA STYLEにも多用されている

和音階」という日本古来の音階は、

ヨーロッパ起源のクラシック音楽でいうところの

メジャー(長調)ともマイナー(短調)とも断じきれない、

つまり「一辺倒じゃない」独特のスケールです。

 

そんな和音階をそのまま使っている曲というのは珍しいですが、

メジャーとマイナーを行ったり来たりするようなメロディーラインを

日本人が「心地よい」と感じるのは自然なことで、

それが「情緒」を醸し出す一因となっているのかもしれません。

 

ハッピーな曲の中にも、儚さや揺らぎを感じる。

シリアスな曲の中にも、希望や救いを感じる。

これはメロディーに限らず歌詞の世界にも現れていて、

日本語が持つ「心の機微を繊細に描き出せる語彙の豊富さ」もまた

「情緒」なんじゃないかなって、思います。

まあ、音楽の専門教育を受けたわけじゃないのでわかんないんですけどね!

 

さて、話をジェシーに戻しましょう。

ジェシーって、自分が好きな日本の楽曲の話をするときに、

しみる」ってコメントを頻繁にしているような気がします。

さっきはスカスカの論を長々と書いてしまいましたが、

「情緒がある」っていうのをわかりやすく言い換えると

「しみる」になるんでしょうね。

 

リリックが「しみる」のか、サウンドが「しみる」のか、はたまたその両方か。

それはジェシーに聞いてみないとわかりませんが、

J-POP界の歌うま星人の声を聴きまくり真似しまくった経験が、

歌詞を深く理解し、メロディーラインを大切に歌い上げる

今のジェシーの歌唱法に影響を与えたのは間違いないような気がします。

 

どこまでも優しい質感の声と表情豊かなビブラートで「情緒」を歌い上げる。

もう一度言いますが、

ジェシーはJ-POPを背負って立つにふさわしい男なのです。

 

和を以て貴しと為す

昔の偉い人が言いました。

「和を以て貴しとなす」と。

 

みなさんご存知『憲法十七条』の序盤ですが、

簡単に言うと

「和」が一番大事だよ!

ということで、もっともっと簡単に言うと

みんな仲良くね! 喧嘩しちゃダメだよ!

って意味です。

 

平和・調和を体現し、

人を笑顔にする天才であるジェシーはまさしく

「和を以て」の権化であると言えるでしょう。

 

しかし、偉い人(=聖徳太子)が言ったのは、

「喧嘩するなよ!」だけじゃないんですよね。

「和を以て」には続きがあって、

『立場や主張の違いを越え、「和」をもって話し合うことができれば、何事もうまくいく』

というもう一歩踏み込んだ内容となっています。

 

つまりこれは

みんな仲良く、でもしっかり議論して物事を決めなさい!

っていう教訓なんですが、

これってすごくSixTONESっぽいなって思うんです。

 


SixTONES - 「Rough”XXXXXX”」グッズ紹介

 

ツアーTの生地を決める会議で、

ジェシー以外の5人の意見が一致。

しかし彼らは遅れて登場したジェシーが意見を言いやすいように

「まだ決めてない」と伝え、

結果ピタリと意見が揃うと無邪気に大喜びします。

 

意見が揃うのがすごいとか、

ハイタッチするほど喜ぶのが可愛いとかは大前提として、

やはりここで肝心なのは

「全員の意見を平等に聞く」

「意見が言いやすい場を整える」

という、大の大人でもできていない人が多い

ハイレベルなコミュニケーションスキルが

ごくごく自然に実現されていること。

これには聖徳太子も大満足だと思います。

 

『バカレア』後にバラバラにされてしまっても、

「この6人で一緒にやる」ことに運命を感じていたと言うジェシー

紆余曲折を経てSixTONESが結成され、

そこからさらに試行錯誤を重ねた結果、

6人は「和を以て貴しと為せる」最強のチームとなりました。

ジェシーがそこまで見抜いてみんなを集めたのかどうかはわかりませんが、

「6人を繋いでくれてありがとう!」という気持ちは

スト担一同、一生胸に灯し続けるんだろうなって思います。

 

さて、いよいよ最後の章。

少しだけ自分語り的なものをさせてください。

 

生まれ変わったらジェシーになりたい

人見知りのくせに見栄っ張りで喧嘩っ早く、

「良いかも」と思ったものもなかなか素直に褒められない捻くれ者の筆者とは、

完全に真逆の位置にいる人間。

それがジェシーです。

だからこそ、強烈に憧れる。

生まれ変わったら、ジェシーみたいな男になりたい。

 

ジェシーSixTONESのみんなを見ているうちに、

「来世に期待」みたいな生き方をしてきた自分が

だんだん馬鹿馬鹿しく思えてきたんです。

 

それから一念発起し、

転職をしてみたり、

生活リズムを変えてみたり、

髪をバッサリ切ってみたり。

相変わらず人見知りだし見栄っ張りだし喧嘩っ早いけど、

一年前に比べれば格段に楽しく、前向きな生き方が

できているような気がしています。

 

それでも自分は言い続けるでしょう。

生まれ変わったらジェシーみたいになりたい。

そして今世おいては、

ジェシーと5人が定めたゴールを迎えるその時まで、

team SixTONESとして恥じない生き方を貫いていきたいものです。

 

あらためまして。

ジェシーさん。

お誕生日おめでとうございました。

大好きです。

あなたとあなたの大切な人の未来に、幸多からんことを。

”縄”の人

どうも大変ご無沙汰しております。

どのくらいご無沙汰かと言うと、

前回の記事が1月中旬です。

デビュー前のことですよ。

あれから三ヶ月半。

あんなことやこんなことやあ〜んなことが目白押しだったのに、

よくもまあだんまりを決め込んでいられたもんだな。(自責)

 

言い訳は多々あるんですけど、

そんなことに字数割いてもしょうがないんで本題に入りますね。

 

本日の記事のテーマは……

 

髙地優吾さんお誕生日おめでとう! です!

 

いったいいつの話をしてるんだ!!!!!!

この筆者、きょもの誕生日も遅刻したんですけど、

その比ではないレベルの大遅刻です。

 

いっそ開き直って言い訳しますけど、

考えれば考えるほど捉えにくくなるんですよ髙地優吾という沼は。

まじでいったい何者なんだ髙地優吾。

どこから来てどこへ行くんだ髙地優吾。

その謎を解き明かすべく、

我々探検隊はjungleの奥地へと足を踏み入れたのであった……

 

第一印象は「一般の子?」

 

『スクール革命!(以下スク革)』の放送が始まった頃、

筆者は土日祝日に休みが取れないタイプの企業で社畜をしていたので、

番組の存在は知っていても、視聴することは叶いませんでした。

ウリナリ笑う犬と内Pを見て育った人間としては、

日曜のお昼のウッチャンも見てみたかったんですけどね。

「まあ、ジャニーズの番組だからマストではないな」

なんてことも思っていた気がします。(小声)

 

そこからいろいろ(主に退社や退社とか退社など)あって、

初めてスク革を見た時のことはさすがに覚えていないんですが、

「一般の子がひとり映り込んでない?」

と思ったような記憶はあります。

当時の自分に「それ将来のお前の推しやで!」って言っても

絶対信じないでしょうね。

 

その後、ウッチャンに関してはちょっとした有識者である母に

「あの子は番組のオーディションで選ばれた子なのよ」

と教えられました。

「ジャニーズだけど、Hey!Say!JUMPではないらしい」

というのも。

それを聞いても、「ふーん」くらいのものでした。

名前だって「たかち」なのか「こうち」なのかもわからない。

わからなくても、大して気になりませんでした。

「だからそれ、将来のお前の推しやで!!」

 

SixTONESの入り口

自分がSixTONESにハマった経緯についてはこちら↓で詳しく書いたのですが、

ma2boxxxxxx.hatenablog.com

非ジャニオタの一般人がSixTONESを知るにあたっての入り口って

やっぱり髙地であることが多かったんじゃないかなって思います。

今はみんなそれぞれ地上波で活躍しているので、

入り口は均等に6カ所ある状態(末恐ろしい!)ですけども、

2019年初旬の時点では、テレビのレギュラーを持つ男がダントツに強かった。

たとえそれが関東ローカルだとしても……(めざせ全国放送!)

 

さて、そんな風に髙地を入り口にしてSixTONESに入信(!?)すると

どういうことになってしまうかというと、

まず初っ端に喰らうギャップがえげつない。

いつもオードリーの前の席でニコニコしてて、

たまにクイズを当ててしまってびっくりしてる純朴そうなあの子と、

暗い地下室みたいなとこで黒い服を身に纏い、

JAPONICA いま In my heartしているギラギラ大男集団が

どうしたって結びつかない。

「髙地くん、グレてしまったん……?」

って思ったこともあった気がします。

 

今となっては、

SixTONESと言えばギャップ。

SixTONES」と書いて「ギャップ」と読む

くらいの認識になっていますけど、

ファーストギャップまで遡れば、そこには髙地がいるというわけです。

 

何者なんだ、髙地優吾

スク革が10周年で過去映像を放出してくれたおかげで、

筆者のような周回遅れのスト担でも

若かりし頃の髙地を目撃することができました。

初々しいなぁ。

あどけないなぁ。

というのが第一ですが、やはり浮かんでしまうのは

「一般人が紛れ込んでる」

という感想です。

 

出演者として番組に参加するぞ! という意気は正直感じられず、

ただそこにいて、ちょっと困った顔をしているだけ。

「オーディションには友達が勝手に応募した」

「ダンスも歌も嫌いでずっとやめたかった」

当時のことを振り返ったインタビューなどを見聞きしたのは最近のことですが、

「でしょうね!」と納得してしまったのは否めません。

 

ところが、そんな「お客さん」だった彼も、

今では立派なワイプ職人に。

食レポもクイズもリアクションもそつなくこなす、

即戦力バラエティタレントへと成長を遂げました。

 

一方本職では、

SixTONESで最もアイドルしている男として

笑顔とあざとさを振りまいています。

かと思いきや、

エロいときはちゃんとエロい。

スイッチ入るとめちゃめちゃSixTONESになるわけです。

(「SixTONES」と書いて「色気ダダ漏れ」と読む)

 

そして言うまでもなく、

いじられリーダー

としての側面もあるわけで、

おいおい、一体幾つの顔を持っているんだ髙地優吾!

 

掴みどころがあるようでない。

掴んだと思ったらまた別の顔。

常に最高を更新し続けるのがSixTONESなので

当たり前っちゃ当たり前だけど、

底無し沼でもがいているこっちの身にもなってほしい(切実)。

 

そんな不思議な彼をもっと深く考察していくために、

キーワードとなる漢字一文字を選ぶことにしました。

「優」「笑」「黄」「穏」「陽」……

熟考すること1ヶ月超。

辿り着いた結論は……

 

髙地優吾は”縄”の人である。

 

ふざけてないです。

真面目にやってます。

どうか怒らないでもうちょっと先まで読んでください。

長いけど。

 

「棒と縄」の話

突然ですが、筆者は最近とあるゲームにハマっておりました。

そのゲームの世界観を形作る上での重要な思想として、

「棒と縄」というのがでてきたんです。

(※ここまででピンときた方は、

どうぞ遠慮なく血液グレネードを投げつけてください。)

 

曰く、「人類が最初に発明した道具は『棒』である」と。

ヒトは棒を持つことにより、

自分にとっての恐怖・脅威になるものを遠ざけることに成功した。

そしてその『棒』の進化の先に、拳銃や核爆弾も生まれたのだ、と。

 

さらにこの説は、

「人類が『棒』の次に発明した道具こそが『縄』である」と続きます。

ヒトは縄を使いこなすことにより、

自分が好むもの・大切にしたいものを引き寄せ、繋ぎ止めるのに成功したのだ、と。

 

この話を聞いて筆者は思ったわけです。

髙地優吾は縄師であるとともに、「縄そのもの」なのだと。

「何言ってんだこいつ?」と首を傾げた方は概ね正解ですが、

今しばらくお付き合いいただければ幸いです。

長いけど(2度目)。

 

世間とSixTONESを繋ぐ縄

前述の通り、

長年のバラエティレギュラーという類稀なポジションにより

SixTONESの入り口としての役割を存分に果たしている髙地ですが、

なにもそのキャリアだけが彼を入り口たらしめているわけではありません。

 

デカくて顔面が強くてパフォーマンスの圧もあるばっかりに、

ときとして強面大男軍団と見られがちなSixTONES

そんな中にあっても、髙地は

「怖そう」という印象を人に与えることがありません。

 

もちろんSixTONESくんたちは

口を開けば相当なファニーガイなんですけども、

黙ってカッコつけてるとやっぱり近寄りがたいほど

イケ」が「」してしまうんですよね。

そんなところが最高なんですけど、

果たして「アイドル」としてはどうなんだ? と。

 

そんなときこそ髙地の出番です。

彼が持つ柔和なオーラに、

世間は勝手に「親しみやすさ」を感じます。

SixTONESって意外と怖くないかも?」

なんて思って近寄ってきます。

そして「なーんだ、6人とも陽気で優しいお兄ちゃんたちじゃないか」

と気づいた時にはそこは既に深い沼です

もう手遅れなのです。

 

今年に入ってからは、

6人でのバラエティ出演やCM・ラジオのお仕事もあり、

SixTONESがファニーでキュートなナイスガイであることが

徐々に世間にもバレ始めています。

だからと言って髙地の役割が薄れるかっつーと

そんなことはまったくありません。

彼が10年間で培ってきた「縛る」……じゃなかった、

「繋ぐ」技術は、あちこちで発揮されているからです。

 

オーディエンスとSixTONESを繋ぐ縄

まず大前提として共感していただきたいところなんですが、

SixTONESのライブのセトリってめちゃくちゃじゃないですか。

ゴリッゴリのサウンドでバッチバッチにイケ散らかした直後に

爽やかコールアンドレスポンス曲ぶっ込んできたり、

アダルトセクシースタイリッシュ路線から

急にMr.ズドンがやってきたり。

 

いや、すごいよ?

すごいし楽しいけどさ。

感情が追いつかないのよ!

 

そんな場面において、髙地は滅法強い!

そのことがよくわかるのが、

超絶アウェイで臨んだ関コレです。


SixTONES @ KANSAI COLLECTION 2019 S/S | SECRET GUEST LIVE

この日のセトリは

1.JAPONICA STYLE

(MC)

2.Amazing!!!!!!

3.IN THE STORM

4."Laugh" In the LIFE

 

ほら、たった4曲でもめちゃくちゃですよ。

ギラッ! ギラッ! ギラッ!(強) からの

Clap your hands everybody!(穏) ですよ。

しかもこのときの"Laugh"〜は、スト担ですらよう知らん新曲ですよ?

しかもアウェイでシークレットゲストですよ?

強気にも程があるぜ。

 

6人のオーラと音楽性による「圧倒」。

からの、「さあ、みんなもこっちおいで!」的な親しみやすさ。

この切り替え役としての髙地の存在感は群を抜いていると思います。

もしやそれを想定した上で

最初の「Everybody say "OH!"」を髙地に割り振ったんじゃないか

って勘ぐってしまうほど、あそこで空気が変わります。

髙地のキラキラ笑顔と能天気な声色(褒めてる)で、

会場の空気がフワッと柔らかくなります。

 

「一緒に楽しんでいいんだ!」

「もっとワクワクしていいんだ!」

圧倒されていた初見のオーディエンスにそう思わせ、「繋ぐ」ことができたら、

「アイドル」として大勝利! というわけです。

 

ところで、

なんで髙地にはそんなことができるんでしょうか。

「笑顔担当だから」の一言では済ませられないなにかがあるはずなのですが、

筆者はそれを「ファン感覚の強さ」だと考えています。

 

髙地って、当然全然普通の人じゃないんですけど、

なぜか本人は自分のことを「普通」だと思ってる節があるじゃないですか。

それは『RIDE ON TIME』で零した

SixTONESが大きくなりすぎて自分が置いていかれている」という本音だったり、

その他各種インタビュー等からも感じ取れますよね。

ファンはその度に「そんなことないよぉおっ!」って叫んどるわけですが、

このある種の「劣等感」に近い感情と、

メンバー5人に対する「リスペクト」こそが、

髙地の「ファン感覚」を研ぎ澄まし、

巡り巡って彼の「強み」になっているような気がするのです。

 

今年1月の横浜アリーナで、

筆者はその最たる一例とも呼べるシーンに遭遇しました。

ボケ倒しのMCの直後の曲が、

しっとり歌い上げる系の「Beautiful Life」だったんですが、

(またも無茶なセトリ)

アリーナ外周を回るトロッコに乗った髙地が、

丁度筆者たちがいたエリアに止まったんです。 

そしてきょもがロングトーンを披露する場面になると、

急に髙地が芝居がかり始めます(褒めてる)。

きょもの美声が元の譜面を超えて長く伸びだすと、

髙地は驚いたような顔になり、

背後の遠い位置にいるきょもの方へ耳を澄まし(顔は前を向いたまま)、

美しいビブラートに聞き惚れるように微笑み、

最後には胸の前で小さく「パチパチ」と拍手をしました。

 

「あざといっ!!」

ってのが正直な最初の感想でしたが、

この瞬間たしかに、あのエリアにいた観客と髙地は

見えない縄で繋がっていたんだと思います。

だって髙地が見せてくれた表情は

「ファンそのもの」だったんですから。

 

SixTONESのことが大好きで、リスペクトしているから、

その気持ちをみんなとも共有したい。分かち合いたい。

髙地のそんな想いが滲み出ていたのでしょう。

筆者並びにあの場にいたみなさんもきっと、

髙地と一緒にきょもの美声に聞き惚れたあの幸せな時間のことを

一生忘れないと思います。

 

共演者とSixTONESを繋ぐ縄

ここからは、よりテクニカルな面で髙地を褒めていきたいと思います。

具体的に言うと

バラエティ歴10年は伊達じゃねぇ!

って話です。

 

わかりやすく髙地の経験が生きたのは、

やっぱり正月の『しゃべくり007』じゃないでしょうか。

「出るときは出る、引くときは引く」という

基礎的だけれどきっとものすごく難しい技術を面白おかしく見せつけ、

しゃべくりメンバーのお歴々をしっかり笑わせていた勇姿たるや。

見ていてめっちゃ気持ちよかったですよね。

 

しかし一方、髙地の真髄が現れていたのは彼のターンだけではありませんでした。

全編を通して

ガヤ芸人としてのスキルが異常に高い。

常になんか喋ってる。

間が空いたら繋ぎの一言、盛り上がったらさらに火を注ぐ一言。

さすが「ザキヤマの弟子」と言われるだけのことはある。(言われてたっけ?)

 

さらに印象的だったのは

地味だけどナイスすぎるアシストの数々でした。

あの日のSixTONESは6人全員がお互いをすかさずフォローし合う

神憑り的なチームワークを見せていましたが、

慎太郎の空手のくだりは髙地なくして成立しなかったのでは? とさえ思います。

 

あのターンはまだ番組の序盤で、

SixTONES側はまだエンジンがかかりきっていない状況でした。

しかし歴戦のしゃべくりレギュラー陣は既にエンジン全開。

若手アイドルをダシにして好き勝手はしゃぎ始めている場面でした。

今の言い方だとすごく語弊がありますけど、

ゲストそっちのけで楽しくなっちゃうお笑いモンスターたちを見られるのが

あの番組の醍醐味でもあるわけです。

 

そんなおじさんたちの独壇場に如何に食らいついていけるか。

そこが勝負の分かれ道だったはずです。

戸惑う慎太郎に「いけ! いけ!」と指示を出した髙地は

さながら名監督でした。

 

あと個人的にすげぇなって思ったのは、「板割り」のくだり。

「板割り」と「労り」をかけた高難度の言葉遊びに

スタジオの大多数が「?」となっていたとき、

「風邪ひいてるからって労わらなくていいから!」

と言ってのけた髙地。

あの鶴の一声が、有田さん&泰造さんと慎太郎を繋ぎ、

労りコントへと発展させたわけですから、

あの日の髙地は神でしたマジで。

もちろんそんな髙地のアシストからガンガン得点を決めた

慎太郎のストライカーぶりも凄かったですけど、

点をとってくれると信じているからこそのアシストなわけですから、

とんでもない信頼関係だなってしみじみしちゃいました。

 

そんな「共演者とSixTONESを繋ぐ縄」の役割をも果たせる髙地ですが、

直近だとラジオの話題を語らずにはいられません。

あの「ゆごほくリトルトゥースだった事件」です。

 

自身がリトルトゥースであることなんてそれまで匂わせてもいなかったのに、

注目度が高いであろう初回に突然発表。

北斗とふたりがかりで1時間半随所随所にリトルトゥースアピールを捻じ込み、

「ANNブランド」のファンの心を少なからず開かせることに成功したはずです。

 

そして極め付けは

押しも押されもせぬ超人気番組『オードリーのオールナイトニッポン』への乱入!

あそこで遠慮せずにグイグイ行けたのは、

やはり『スク革』という繋がりがあったから。

しかし、髙地はただコネを利用しただけではなく、去り際

「リトルトゥースこういうの嫌いかも(笑)」

という一言をちゃっかり電波に乗せてから退場したんですよ。

これはすごーく得点高かったんじゃないかなって思います。

北斗のガチリスナーっぷりも含め、

口先だけのリトルトゥースじゃないってことが

全国のリトルトゥースに伝わったわけですから。

SixTONES、贔屓したいね」

って思ってくれた人は少なからずいるはずで、

それが走り始めたばかりの『SixTONESANN』にとって

どれだけ心強い存在となるかは計り知れません。

共演者とそのファンまで繋いだ髙地は偉い!(ベタ褒め)

 

スタッフさんとSixTONESを繋ぐ縄

ジャニーズ事務所にとって未曾有の挑戦だったYouTube進出。

Jr.チャンネルにおいてSixTONESの再生回数が抜きん出ていたことは

わざわざ語るまでもないと思いますが、

その立役者となったのは

Jr.(当時)としてはダントツで「収録の現場」を知っていた男、

髙地優吾に他ならないんじゃないかと筆者は考えています。

 

進行とツッコミという大役を任されているのは樹ですが、

髙地は目立たない部分での配慮であったり気遣いであったりが細やかで、

とにかくスタッフさん=玄人ウケがすごい。

 

Jr.チャンネル時代の最後の動画となった生ストラジでは、

6人それぞれの活躍をまとめたVTRの観賞会が行われましたが、

ここで髙地は「率先してスタッフに手を貸す優しい男」

絶賛されていました。

しかし彼の玄人ウケは「優しさ」からくるものだけではありません。

 

ちょっと話を変えます。

SixTONESYouTubeでどれが一番好き?」

って訊かれたら、三日三晩悩んでも答えが出せないんですが、

SixTONESYouTube一番好きな編集は?

って訊かれたら「10万円アポなしのFINAL!」って元気に即答します。


SixTONES【10万円アポなし旅】1泊2日弾丸バスツアーFINAL!

筆者が大好きな編集は、この動画の10:27付近。

ほうとう屋さんの取材OKをいただき、

準備ができるまで待つことになった一行。

すると髙地が

「外観インサート撮っとこ今のうちに」

と言います。

その後、左下に「田中樹撮影」と表記された状態で

ほうとう屋さんのユニークな外観が映され、

「ちょっとの待ち時間もじっとしてられない大男たち」と続きます。

 

この動画を初めて見たときに筆者が思ったことは、

①この子たちはインサートまで自分たち主動で撮ろうとするんかい!

②オフの声も残して編集するんかい!

の2点でした。

 

まず①に関してはそのまんまです。

大人たちに言われるがままに進行するのではなく、

いま何が必要とされているか、自分たちで考えて行動に移す、

その姿に単純に感心しました。

そりゃYouTuberだったらみんな当たり前にやってることなんでしょうけど、

Jr.チャンネルに関しては

「演者=アイドル、制作=YouTube」という図式が正直色濃い。

そんな中、制作側としての意識もしっかり持って活動しているSixTONES

特にバラエティの申し子髙地の感覚の鋭さが

このワンシーンに滲み出ている気がします。

 

そして②。

ぶっちゃけインサートはタレントが入店した後にでも

スタッフがちゃっと撮影してそっと挟み込んでおけばよかったと思うんです。

でもこの動画においてディレクターさんは、

わざわざ髙地の声を編集で残し、

わざわざインサート画像の撮影者が樹であることを明記し、

わざわざこの13秒ほどのくだりを視聴者に見せてくれた。

決して撮れ高が足りなかったわけではないでしょう。

泣く泣くカットした場面もあったかもしれません。

それでも髙地のインサート発言を残したのはなぜか。

これは筆者の憶測に過ぎませんが、

単純に自慢したかったんじゃないかな

って思います。

SixTONESの髙地優吾は

こんなにもスタッフ思いで、仕事ができる男なんだぞ!」

ってことを世間に知らしめたいがための編集だった。

そう考えるのが一番しっくりくると思いませんか?

 

さらにこのインサート発言、

ごく最近の動画でもありましたよね。

原宿散歩のたこ焼き屋さんのくだりです。


SixTONES - Harajuku Walk - 原宿散歩してみた

ここでも髙地が

「インサートインサート先にインサート」

と言っているのを切らずに、

美味しそうなたこ焼きの映像にかぶせています。

 

正直このセリフ、無くても全然成立します。

それでも残してくれるのは

制作陣からの愛以外のなんだっていうんだ。

 

髙地は「自分が自分が!」と前に出るタイプではありません。

そして活躍の場面もあまり派手じゃなかったり、玄人好みだったりします。

ただそれだけだったら「地味」で終わってしまうところですが、

彼には誰に対しても分け隔てなく発揮される「優しさ」という

抜群の武器があります。

だからこそ、

周りの人間が彼のことを押し上げてあげたくなってしまう。

これってなかなか得ようと思っても得られない援護ですよね。

 

髙地自身にそのつもりはなくとも、

彼の笑顔と優しさと機転に絆されたプロフェッショナルたちが、

自然と側に寄ってきて、離れず見守り、時に押し上げてくれる。

SixTONESは総じて業界支持率・業界内好感度が高いと

筆者は勝手に確信していますが、

そうなっている要因のひとつとして髙地の

スタッフさんとSixTONESを繋ぐ縄としての役割が

欠かせないのではないでしょうか。

 

SixTONESの6人を繋ぐ縄

嵐のリーダー大野くんのお茶目な采配により、

突如としてSixTONESのリーダーに就任してしまった髙地。

しかしその後すぐに

キャプテン、ボス、会長、主将、代表が就任し

なんならリーダーが一番立場弱いじゃねぇか!

という鮮やかなオチがつきました。

なんともSixTONESらしいエピソードです。

 

6人の中で一番お兄ちゃんだけど、

一番後輩で、いじられキャラ

根っからの弟気質の大男が集まったグループの中で、

髙地は5人に程よく舐められつつ、

絶大な信頼でもって甘えられている存在なんだろう

と筆者は思います。

 

「いじり」と「いじめ」の境界線を判断するのは非常に難しいですが、

最もわかりやすいポイントは、

「いじられている本人が嫌がっていないかどうか」になってくるでしょう。

その点において、

髙地の笑顔と包容力は見ている人に安心感を与えます。

 

それでも、見る人の心のコンディションによっては

「かわいそう」という評価もされてしまいがち。

しかしそこで終わらないのが髙地優吾。

雑誌やラジオ、ブログにおいて自らの言葉で

「いじってくれた人に損をさせないようにしたい(意訳)」

「もっと上手にいじられるようになりたい(意訳)」

と発信し、最近では

「(ANNリスナーからの)新手のいじりに対応できなくて申し訳ない(意訳)」

「頑張って技術を習得するからガンガンいじってください(意訳)」

とまで言ってのけました。

「プロいじられ師」としての意識があまりにも高すぎる。

ここまで自分のポジションに誇りを持って臨もうとしている人に

「かわいそう」なんて言うのは寧ろ野暮なんじゃねーかな

って筆者なんかは思ってしまいます。

まあもちろん髙地のことを雑に意地悪くいじる奴が現れたら

全力でぶん殴りに行きますけどね。(パッキャオくらいの手数で)

 

さて、ちょっと横道に逸れたので

SixTONES6人のことに話を戻しましょう。

筆者が知っているSixTONESYouTube以降の彼らだけなので、

それ以前の5人が髙地をどう扱っていたのかは知る由もありません。

今の関係性に落ち着くまでには、

語り尽くせぬほどの紆余曲折があったことでしょう。

 

しかし現状のみを切り取って見ても、

ジェシーは髙地が好き過ぎて愛が重いレベルだし、

きょも坊ちゃんと当たり強めでやり合えるのは髙地だけだし、

北斗とは最早熟年夫婦の域に達しているし、

樹は自分がボケたくなるとツッコミを髙地にぶん投げるし、

慎太郎とウニ食いに行くところは意外と想像できる気がするし、

とにかくなにが言いたいかって、

5人と髙地を繋ぐ縄(またの名を愛)がいつもしっかり見えているから、

いじりも安心して見ていられるということです。

 

「縄」とは、

自分が好むもの・大切にしたいものを引き寄せ、繋ぎ止めるための道具である。

改めてその定義に立ち返ると、

RIDE ON TIME』で髙地が語った

SixTONESがなくなったら最悪です。(中略)

俺がそうさせない。なんとしてでも止める」

という決意がより一層力強く、頼もしく聞こえます。

彼ならば、普段は「なにもしないリーダー」としてのほほんとしていても、

いざというときには「縄師」として、

愛する者たちを繋ぎ止めてくれることでしょう。

 

SixTONESの6人、そしてteam SixTONES

優しく、されど絶対に解けない縄で縛っている髙地。

これからもずっとずっと、その縄を離さずにいてね。

 

あらためまして。

髙地優吾さん。

お誕生日おめでとうございました。

大好きです。

あなたとあなたの大切な人の未来に、幸多からんことを。